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ここにしかない食体験

「もったいない」から始まった 【体験】和紙の原料、コウゾの葉っぱを利用した餅作り体験! 地域の資源を生かす取り組み

2020/02/12

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開催日 通年 体験料 3,500円

こんにちは、『食らし旅』編集部です!

今回は、綾部市内の「MATA TABI」さんが開催しておられる楮(コウゾ)餅作り体験に参加してきました!

体験の内容は、楮餅を臼と杵で搗いて、丸めて、試食まで。
初めていただく楮餅、一体どんなお味なんでしょう。そして、その後ろにあるストーリーにも興味津々です。

体験の開催地である綾部市中上林地区自治会連合会・公民館を目指して行く途中、黒谷和紙工芸の里の前を通りがかりました。

コウゾといえば和紙の原材料として知られています。立ち寄りたい気持ちを抑えつつ、集合場所へと急ぎました。辺りの風景はまさにのどかな里山です。

現地に到着するとMATA TABの工忠さんご夫妻が迎えてくださいました。工忠さんはこの上林地区で『クチュール』というゲストハウスも経営されていて、宿泊客への体験メニューの1つとして、楮餅作り体験を提供されています。

この体験をご準備くださるのは、5年前に地元の女性で立ち上げられた「すまいる工房」のお二人。
主に自家栽培された野菜や、それを使った加工品(漬物・米麹・万願寺唐辛子味噌など)の製造販売をされています。
工房のお話を代表の川北さんに伺いながら、体験がゆるりと始まります。

なぜ、楮餅?

この上林地区の近く、綾部市黒谷町・八代町とその周辺で作られる和紙を『黒谷和紙』(京都府指定無形文化財)と呼び、地域ではコウゾの栽培から手がけておられます。
秋が深まり、葉っぱが枯れると枝を切って採集し、和紙作りに必要な樹皮だけを原料として利用します。

 

コウゾはクワ科の落葉低木で、樹皮にとても強靭な繊維を持つことから、高級和紙を作る材料として800年ほど前から使われ、江戸時代にはコウゾは桑、漆、茶と並んで「産業の四木」と呼ばれたそうです。


「もったいない」から始まった


すまいる工房の川北さんたちは、地域の特産品として栽培されながら、和紙作りに利用されることのないコウゾの葉っぱに目をつけられました。
「栄養価も高いのにもったいない。これを商品化できないか。」

調べてみると、コウゾの葉にはカロチンやビタミンAやB1が豊富に含まれていて高血圧の予防、動脈硬化の予防、利尿、滋養強壮、疲労回復などの効能があるそうです。

また、健康食品として注目されている桑の仲間なので、カルシウム、鉄、亜鉛なども豊富に含まれています。昔から薬用としても利用されてきたようです。

葉っぱの刈り取りから始まる餅作り

コウゾの葉を加工に利用するには準備が必要です。

まだ葉っぱが青々としている夏の終わりがコウゾの葉の刈り取り時期。高いものは3m近くにもなるコウゾの木から葉っぱを刈り取ります。そしてそれをよく洗って乾燥し、粉末にしたものを一年分保存されるのですが、暑い中、大変な作業だそうです。
粉末にしたものは、楮餅以外にもシフォンケーキ作りにも利用されているそうです。

いよいよ餅つき

そんなお話を伺っている間にもち米が蒸し上がりました。
せいろの中の蒸し布を開けると、ぎょっとする緑色!もち米の上にコウゾの葉っぱの粉末が振り掛けられて一緒に蒸されています。
それを臼に移していよいよ餅つきです。

もうお一人の参加者は近くに移住された男性。餅つきにも慣れておられて、搗く前のもち米を杵で潰す作業を手際よくやってくださいました。
そして餅を搗き始めます。子どもの頃は親戚の家の餅つきに毎年の年末に参加していましたが、たぶんそれ以来のお餅つき。
杵を持ち上げてストンと振り下ろす。簡単なようで、これがなかなか難しい。振り下ろす時は重力を利用して、と理屈ではわかっていても、なかなかうまくいきません。でもいいところにストンと杵が落ちると、気持ちのいい音がします。10回も搗かないうちに腕が上がらなくなったので、あとは男性陣に任せて、10分ほどでウグイス色の柔らかなお餅が搗き上がりました。

そして丸めます

搗きあがったお餅と一緒に調理室に移動し、川北さんが手早くちぎってくださるのを次々と丸めます。柔らかな搗き立てのお餅の感触がなんとも心地よく、ほんのり香る草の香りにも癒されます。

これもとっても楽しい作業でした。


美味しい試食タイム!

試食には美味しいおぜんざいも準備くださっていました。すまいる工房さんで栽培された丹波大納言の大粒小豆です。
またお醤油をつけて、つきたてのお餅を食べるのも最高!
楮餅はヨモギのように強い香りはありませんが、どこか懐かしいような優しい味と香りがします。搗き立てのお餅をいくつ食べたでしょう。もうお腹いっぱい。

上林城跡を散策


体験終了後は食後の腹ごなしのお散歩に、すぐ近くの丘にある上林城跡に連れて行っていただきました。
10分ほど坂道を登って行くと広場に出ました。ここが上林城のあったところ。
戦国時代からこの地を治めていた藤懸氏の城跡だそうです。ここから見渡すとのどかな里山の風景が広がります。見晴らしも良く、ここに城が建っていたことを思い起こさせられました。

今回は訪問できなかったのですが、黒谷和紙工芸の里も合わせて訪れるとコウゾのこともより深く知ることができますし、土日祝日は手漉き体験も可能です。

楮餅作り体験とあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

催行時期 通年
体験料 3,500円(税込) *体験料、試食含む
周辺の散策案内を含む場合は4,000円となります
所要時間 約90分
場所 中上林自治連合会・公民館
京都府綾部市
定員 2人〜(大人数の場合は要相談)
申込方法 MATA TABI matatabijourney@gmail.com
問い合わせ 関係先リンク:里山ゲストハウス クチュール

https://guesthouse-couture.com/#home

記事 ハミルトン純子 写真 ハミルトン純子 工忠衣里子

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