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京都・久御山町を応援する想いが詰まったサンドイッチは地元食材たっぷり♡

【久御山町】
京都・久御山町を応援する想いが詰まったサンドイッチは地元食材たっぷり♡

サンドイッチ店「komughi」は久御山町との出会いから誕生

2021年4月に開店した「komughi」。元々オンラインショップを中心に展開してきた、若き女性デザイナーが手掛けるアパレルのフラッグショップ「Artint(アーティント)」を、久御山町に開店したのが2020年のこと。それから店舗のある町を歩き、さまざまな方との出会いから町のことをどんどん知り、農業をされている方が周りにたくさんいらっしゃることに気づいたことがきっかけとなり、店主の田中真紀(たなかまき)さんはコロナ禍の中一念発起して「Artint」と同じ店舗内にオープンサンドのお店「komughi」を開店しました。「この町は、昔ながらの隣人を思う気持ちがある方が多い」と、田中さんは話し、おいしい野菜や果物が手に入ることを知るほどに、この町のことを他の人にも知ってほしいと久御山町の良さを紹介する意欲を見せる人です。

アパレルショップ「Artint」の開店がきっかけで久御山町の良さを発見


小さな三角屋根が2つ突き出るような、ログハウス風の一軒家。オーナーの田中さんが、たまたま車で走っていて見つけた店舗でのスタートは、当時オンラインショップだけだったブランド「Artint」のアパレル商品を実際に見ていただくフラッグショップをつくることでした。そもそも「Artint」は、自社オリジナルデザインのトラックが印象的な運送事業を展開する株式会社INTのデザイン部門。そのすべてのオーナーが田中さんです。



ところが、開店と同じ時期にコロナ禍となり、田中さんは「こんな時こそワクワクすることを発信したい」と考えたといいます。
「オリジナルのアパレルを置いて、ようやく皆さんに手にとって見ていただける状況ができたのに、お店に気軽に来ていただけないなんて寂しいと思いました。だからこそ、皆さんが楽しくなることを考えたくなって。それで、人にとって必要な衣食住の中で何が必要かと考えてみたら、やはり食だと。考えてみたら久御山町にあるお店の周りにはたくさん田畑があったので、それで、近くの農家さんのところを訪ねてまわったんです。」

いろいろ調べていくと、ひとつかふたつの作物を専門につくっている方が多いと気づいた田中さん。そもそも久御山町は、稲作を中心にホウレン草や小松菜などの軟弱野菜、キュウリやトマト、ナス、ダイコン、ハクサイ、にんじんなど多岐にわたり作られています。作物と向き合い丁寧に作る小さな農家の方もたくさんいらして、先祖から引き継いできた良い土壌の田畑を大切にしているからこそ、辞めずにいるという方も。そういう方は、イオンモール久御山の駐車場内にある、久御山町農産物直売所「旬菜の里」で、新鮮な野菜を販売していることが多いといいます。

「komughi」では、直売所などへの卸しのみで量産をしていない農家の方をはじめ、産直通販や大手企業にも納める生産者などから素材を調達しているといいます。「本当においしいものをこの土壌で作ることに、自信や誇りを持っている農家さんばかり」と話す田中さんは、久御山町の生産者の皆さんが自信を持っている野菜や果物などを、おいしく食べていただくという思いで、お店のある地元に協力していきたいと考えたそうです。


オープンサンドでおいしい地元素材を見せて楽しく!


そもそも友人の喫茶店を手伝ってきた経験がある田中さん。おいしい久御山の素材が手に入り、それをおいしく味わっていただくために何が良いかと考えた結果、素材そのものをできるだけシンプルに楽しめるサンドイッチに。そして、中身を見せたいと考えてオープンサンドイッチ風のラッピングにして、ズラして入っているパンを上に置いて、自分でサンドをして食べるスタイルを考えたそうです。

クロワッサンサンド9種やコッペパンのサンドは常時15種、komughiスタイルのオープンサンド(パッケージの中に添わせてあるパンを自ら上に置いて食べるスタイル)で、田中さんの狙い通り「楽しい!」と、店内で笑顔になり頬張る方が多いそうです。フルーツサンドやホットドッグ、一般的なサンドイッチなどもあり、イートインもテイクアウトも両方が可能です。


人気は、食パンの上にフルーツを数種乗せたオープンサンドの代表komughiサンド1個300円~。他に、極厚だし巻きのサンド700円やだし巻きしば漬けのサンド400円といったお惣菜系サンドイッチもあります。また、おいしい季節の野菜が手に入り、それがパンとは合わないと判断したらランチや、単にお惣菜(おかず)としての販売も。それは「野菜をおいしく食べていただくことが大事だから」だといいます。



人気のランチはパンとの相性が抜群


ランチの定番はビーフシチューセット1,100円、ロコモコハンバーグセット1,000円で、野菜サラダやパンに、スープだったり、季節のフルーツだったりがついています。また、はちみつ、卵黄、オイスターソース、しょうが、にんにくなどに3日間浸け込んで、もち粉を絡めて揚げているモチコチキンセット1,000円(単品550円)も好評です。


テラスにはドッグランも。愛犬家のオーナーならではのこだわり


「komughi」という店名は、田中さんが飼っているワンちゃんの名前。パンに押されるロゴなどのワンちゃんは、「Artint」のデザイナーが描いたものです。それほどワンちゃんが好きな田中さんであり、お店の裏にあるテラス席には、隣接するように小さなドッグランもあります。お水などはもちろん、チーズスティックといったワンちゃんのおやつ&手作りフードも用意されています。

開店して間もなく、久御山町も入る山城地域の食の魅力発信と、山城産農産物を食べていこうと企画・実践する地産地消プロジェクト「やましろ産ごちそうさんプラットフォーム」に参加し、「京やましろ食~京やましろ産食材提供店~」となった「komughi」。久御山町では3軒(202211月現在)のうちの1軒です。

イオンモール久御山などで時折開催される「山城いちおしマルシェ」といった、さまざまな食のイベントにも参加して、おいしい地元野菜やサンドイッチの販売を行うなど、地道に久御山の良さや魅力を紹介する機会をつくっているという田中さん。


懐が深く温かい久御山町の良さや魅力を発信していきたい


以前、あるアクシデントから、お店に来ていたワンちゃんを探すことになったとき、まったく知らない町の人々が「困っているの?」と手を貸してくれたことから、飼い主が言った「こんなに温かい町はないですよ」の一言が忘れられないと話す田中さんは、

「お店のある久御山町のことを知ってまだ数年ですが、こんなに「町」ぐるみで助けてくれるところはないと実感しています。他人事を自分事として考えてくれる懐の深い町、久御山町です。」といいます。Artint を開店した2020年からたった1年、2年という短い間で、そう考えることになったさまざまな体験は、縁があって町と関わることとなったからこそ。田中さんの言葉を思い出すと、今一度久御山町へ、そして「komughi」へ足を運びたくなります。

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