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お茶の京都、ローカル線で楽しむ食の旅
【宇治市・和束町・笠置町】もうひとつの京都へ“おいしい”を求めて旅に出る
京都を地図で眺めると、意外と縦に長い。北に上がると日本海に面し、南は宇治茶が生まれる山間が広がる。ココロ満たされる食を求めて、ローカル線で、お茶の京都へ向かった。
お茶の京都で楽しむ食の旅
JR京都駅から奈良線に乗ると、列車はすぐに鴨川を渡る。時おり京阪宇治線と並走しながら南へ進むこと約26分、車窓から日本三古橋の一つ、宇治橋が見えてくると、宇治駅に到着する。
宇治は京都と奈良を結ぶ交通の要衝として栄え、平安時代から貴族の別業(別荘)の地としても好まれた場所。宇治駅から歩いて行ける世界文化遺産の平等院も、藤原家の別荘として建てられ、のちに仏寺に改められた歴史がある。
1000年前の栄華を今に伝える世界遺産「平等院」
永承7年(1052)、藤原頼通が開創。境内には、極楽浄土を表現したとされる阿弥陀堂(鳳凰堂)をはじめ、国宝や重要文化財の建造物が並ぶ。🄫平等院2022
宇治で見る、食べる、買う。
宇治に来たらやはり、本場の宇治抹茶に癒やしを求めたい。鎌倉時代前期頃を始まりとする宇治茶は、公家や僧に贈呈品として扱われた。江戸時代の宇治では、茶園を経営し顧客に茶を供給する茶商は「茶師」と呼ばれていた。現在も宇治駅界隈には、茶業を受け継ぐ老舗が点在。お茶本来の旨味を引き出した品々とともに、枠にとらわれないお茶の楽しみ方を教えてくれる。
こだわりのお茶を、新しい楽しみ方で「伊藤久右衛門宇治本店 茶房」
創業190年。抹茶や京都の食材を使ったランチやスイーツのほか、進物品や土産物まで、新しい感覚を取り入れてお茶の魅力を発信。
数量限定の栗の抹茶スイーツプレート
宇治抹茶・宇治抹茶かぷちーの・グリーンティーから選べる。お茶セット1990円
伏見の老舗蔵元と共同開発した、抹茶のお酒や新作のクラフトコーラなど、土産物が多彩
余韻まで楽しめる、もてなしの心「中村藤𠮷本店」
安政元年(1854)創業。生麵からこだわった「きつね茶蕎麦セット」は、すだちや抹茶のオイルでの味変も楽しい新作。1950円
抹茶で屋号を冠した本店限定まるとパフェ。本竹の器の中には凝縮された上質な抹茶と何層にもなるさまざまな素材との相性を楽しめる。1580円
宇治から足を延ばして、茶畑やグルメに観光。
宇治茶が生まれる茶畑にも訪れてみた。同じく奈良線木津駅から関西本線に乗り換え、加茂駅へ。奈良交通バスに乗り和束高橋で下車、坂道を歩いていくと、空まで続くような茶畑が広がる。緑の畑に均等の畝が線を描く風景は“桃源郷”ならぬ“茶源郷”。茶農家が守り続ける生業の景観だ。
目の前に広がる空と茶畑「dan dan cafë」
文化庁選定の日本遺産に認定された「石寺の茶畑」が目の前に広がるカフェ。手作りランチ(要予約)やカフェメニューのほか、テイクアウトOKのジェラートも人気。
和束産のお茶はもちろん、抹茶ラテ(写真)やほうじ茶ラテも楽しめる。(11月以降のメニューとなります)
環境にやさしい乗り物で(運転手ガイド付き茶畑周遊ツアー)「和束町グリーンスローモビリティ」
石寺の茶畑をはじめ、和束の名所をめぐるグリーンスローモビリティ(電動小型低速車)を使った運転手ガイド付き周遊ツアーを実施中。傾斜に富んだ場所もこれなら快適に。開放的な車両で絶景をめぐるルート。要予約。1000円(バス利用者は300円)
加茂駅から関西本線は、風光明媚な木津川に沿って走る。笠置駅は古来、山岳信仰で知られる笠置山が近い。中腹の料理旅館 松本亭は、『古事記』や『万葉集』にも記された、きじ肉でもてなす希少な一軒だ。
名物「きじ鍋弥勒コース」を「自遊宿・料理旅館 松本亭」
明治23年(1890)創業の料理旅館。高タンパク、低カロリーのきじ料理は50年前から提供。隣接する笠置寺詣での休憩がてら、食事だけの利用も可。
「きじ鍋弥勒コース」(写真は2人前)9500円(1人前)は、特製出汁でいただくきじ鍋をはじめ、刺し身、塩焼きなど。弾むような歯ごたえとあふれる旨味。
磨崖仏を足元から参拝できる「笠置寺」
弥生時代からの磐座信仰の聖地。寺院は岩肌に刻まれた磨崖仏を本尊として飛鳥時代に創建された。巨石をめぐる修行場は、現在は遊歩道に。
お茶の「食の一泊旅」は、茶畑に囲まれた宿で
鎌倉時代からお茶を作り続ける和束町。山間に川が流れ、好天を呼ぶ朝霧に恵まれることから、良質な煎茶の栽培に適しているといわれる。現地で一泊すれば、その好環境を体感できる。
お茶を五感で愉しむ「京都和束荘」
絶景の茶畑、茶産地のお茶風呂、茶香炉による茶葉の香り、京料理職人による会席など、お茶を使ったおもてなしの宿。存分に一泊旅を楽しめます。
※料理はイメージ
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