食の京都
文化CULTURE
  • #おいしい
  • #体験
  • #海の京都

【体験】大・盛り上がり!! 漁港で買った新鮮な魚をにぎり寿司にして食べるワークショップ

【京丹後市】
【体験】大・盛り上がり!! 漁港で買った新鮮な魚をにぎり寿司にして食べるワークショップ

定置網漁の仕分け風景を間近に見ながら、地元の「浜買い」を体験

こんにちは! 『食らし旅』編集部です。
早朝、丹後の漁港へ新鮮な魚を買い付けに行き、自分たちでお寿司を握って食べる体験プランがあると聞いて、[うめや本舗]さんにやってきました!

[うめや本舗]の本業はメガネ屋さんなのですが、店主・梅田さんは釣り好きが高じて、このようなプランを始めるに至ったそう。
魚を買って握って食べるというシンプルなプログラムながら、地元の暮らしの一部である「浜買い」を実際に体験でき、丹後の新鮮な海の幸が食べられる上、お寿司握りのスキルも身につく。そして……何より、みんなでやると、なんだか盛り上がって楽しいんです!
今回はこの「ピチピチにぎり寿司体験」をご紹介します!

丹後の「浜買い」とは?

浜買いの様子

海に囲まれた丹後半島では、近海に仕込んだ大きな網による定置網漁が盛んです。
漁師さんたちは毎朝夜明け前から出港して、仕込んでおいた網を引き揚げ1~2時間で漁港へ戻ってきます。魚が新鮮なうちに大勢の漁師さんが総出で仕分け、すぐにセリ場へと配送します。

浜買いの様子

この仕分け作業を行っている約1~2時間のあいだに漁港へ出向けば、一般の人でもその場でとれたての魚を購入することができます。地元の人が地元の魚を食べるための「浜買い」と呼ばれる食文化です。

AM6:00、漁港へ集合して魚を仕入れる

日本海と田園風景

梅田さんは竹野漁港、三津漁港、浜詰漁港など、いろんな漁港で浜買いをしておられますが、取材当日は伊根町の新井崎(にいざき)漁港で魚を仕入れることに。

朝の6:00前、漁港へ向けて車を走らせていると、美しい田園風景の向こうに定置網漁船が港へ戻ってゆくのが見えました。

水揚げされたハマチ

港へ着くと、この日は大漁!定置網がハマチの群れを捉まえたらしく、漁船の水槽につないだホースから、ハマチがどんどん仕分け台へと流れてきます。とにかくすごい迫力です!

仕分けされるハマチ

港の構内は忙しく立ち回る漁師さんたちでいっぱい。足元にはつねに魚の汚れを洗い流す水がまかれているので、長靴&汚れてもいい服で行くのがベストです。

仕分けられた魚たち

ハマチの他にもヘダイやサバ、アジなどいろいろな魚が獲れていました。浜買いしにきた地元の料理人さんたちに、混じって魚の目利きにチャレンジしてみるのもアリです!

量り売り(浜買い)の様子

浜買いは、すべて重さによって売買されます。
同じ魚をまとめて秤にかけ、魚種ごとに定めた単価 ✕ kgで計算した金額をその場で支払います。
今回は、梅田さんが目利きした厳選の魚を持ち帰り、いざ!にぎり会場へ。

うまくできるかな? お寿司にぎり体験

捌かれた魚の刺身

魚を買って帰ったあと、参加者は一旦解散。
そのあいだに梅田さんが魚をさばいて、シャリや薬味の準備を整えてくれます。

お寿司にぎり体験の準便の様子


2時間ほど自由行動して戻ると、立派な会場が設営されているではありませんか!
いつもは近隣の公民館を借りて開催するそうですが、この日は特別にご自宅へお邪魔しました。
参加者全員に配られるハッピ。ねじり鉢巻きもすれば一層気分が盛り上がること間違いなし!衛生用の手袋を着用したら、さっそく握ってみましょう!

お寿司にぎり体験の様子

まずは右手でシャリを少量とって小さく丸めながら、指にはワサビ、そして左手にネタを置きます。

お寿司にぎり体験の様子

ネタの上にシャリを置き、シャリを軽く親指で押さえたら、鮨のハラを人差し指と親指でつまむようにして形を整え、くるっとひっくり返してまたシャリを押さえます。

……といってもこの間ほんの2秒ほど。「えっ?さっきどうやったの?」なんて思わず周りの人にたずねながら、見様見真似で握っていきます。

お寿司にぎり体験をレクチャーする梅田さん

梅田さんはさすが手慣れたもの(写真左)。
「お寿司屋さんでも、あっという間に握ってるでしょ。テンポよくやるのがコツです」
「シャリには空気を入れるように」
などのアドバイスを受けながら、握った寿司を自分の「げた」の上にドンドン並べていきます。

お寿司にぎり体験の様子

にんげん得手・不得手があるもの。すぐにコツを掴んで上手に握れるようになった人が、他の人に教える場面も。

お寿司にぎり体験の様子

さあ、次は飾り付け! ネギやレモン、プチトマトなど、ネタと薬味の相性を考えながら、好きなように自分のひと皿をデコって行きます。
できあがったらみんなで記念撮影。

お寿司にぎり体験の様子

どうですかこの笑顔。「握ったで~!」という達成感に浸りながら、ついに試食タイムです!

自分で握ったお寿司の味は??

お寿司にぎり体験の様子

テーブルには特製の醤油と、ひしおが置いてあります。
モノによっては塩レモンだけでいくのもオツなもの。好みの調味料をつけてパクリ。

お寿司にぎり体験の様子

うーーーーーん! うまい!
新鮮な身がプリプリ・コリコリと小気味良い歯ごたえで、控えめなシャリとよく合っておいしい!
自分で握ったからちょっと崩れやすいけど(笑)、それもご愛嬌です。

お寿司にぎり体験の様子

せっかくこの地に来てくれたのだから、今朝ここで揚がったばかりの魚を食べてみてもらいたい。このピチピチにぎり寿司体験の取り組みの目的の一つは、近海の定置網漁でとれた新鮮で美味しい「京都の魚」のPRにある……という梅田さん。

お寿司にぎり体験の様子

よく考えてみると、その日に揚がった魚をすぐ料理して食べられるところってあまりない。
飲食店の場合は、すばやく調理・提供するために綿密な仕込みを行う必要があるので、飛び込みのお客さんが当日獲れた魚を持ち込んで「コレを料理してください!」と頼んでみても、なかなか対応しきれないのが現実です。

それでもやっぱり「海沿いの町で新鮮な魚を食べたい!」という旅人のニーズの受け皿として、地元の人達がこういうアットホームなおもてなしを提供できればいいのでは、というのが梅田さんのお考え。この体験を通して、漁師の後継者不足、魚離れ、魚価の低迷などの問題解決に貢献したいのだとか。

見ているだけでテンションが上がる自作の屋台やハッピも、どんどん真似してもらって構わないから、地元の人と旅人が一緒にワクワクできる場をつくる。こういった動きが広まっていけばいいな、とのことでした。


<あとがき>

 「ピチピチにぎり寿司体験」のイベント情報は以下です。
希望に応じて「竹野漁港で定置網船体験(3000円)」をプラスすることもできますし、逆に「浜買い体験」は省いて、宿泊する宿で「にぎり寿司体験」だけを選ぶことも可能。
基本的には朝食プランですが、昼食や夕食としても実施可能とのこと。
プランの融通はききますので、まずは梅田さんにいろいろ相談してみてください。

……ただし、漁は天候に左右されるもの。
日程によっては定置網漁船体験ができなかったり、漁そのものがなかったり……。
参加する方も、自然の流れにまかせるぐらいのおおらかな気持ちで、旅の計画に織り込んでもらえたらと思います。

紹介情報

関連記事

  • 文化CULTURE
    【かまぼこ作り体験】「生すり身」をたっぷり使う、京都・舞鶴流!出来立てふわふわのかまぼこ
  • 文化CULTURE
    【体験】漁師しか知らないスポットへご招待!手ぶらで楽しめる本格的な釣り体験