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京丹波でランチ♡森に囲まれたログハウスカフェで楽しむカラフルなワンプレート
【京丹波町】外国の雰囲気を味わえる京都のログハウスカフェ「Café & Lunch MINI ONE」
京丹波の道沿いで、木の葉に囲まれた空間をのぞくと、外国の田園地帯にたたずむような雰囲気のログハウスのカフェ「Café & Lunch MINI ONE(ミニワン)」にたどり着きました。2016年にオープンし、新鮮な地元食材を生かした、見た目にも美しいランチやカフェメニューが評判となり、遠方からもリピーターが絶えない店です。
今回は、シェフに、お店や地域への思いについて伺いました。
地元食材を生かした種類豊富なランチメニュー
ログハウスの扉を開けると、白と木を基調にしたあたたかみのある空間が広がります。なかでも、ご近所の方が薪を割って持ってきてくれるという暖炉の前のテーブルは、冬場、特に人気のスペースだそう。店内奥の個室ではペット同伴も可能なほか、貸し切りができる別棟もあり、日常のランチ使いから記念日のお祝いまで、さまざまな楽しみ方ができます。
「Café & Lunch MINI ONE」では、地元の4軒の農家から直送される旬野菜や、地元産のお肉やお米、新鮮な卵を使ったランチメニューが豊富にそろいます。ふわふわオムライスや厚焼き玉子サンド、焼きカレー、唐揚げランチなどいずれもたっぷりのサラダが付き、食べ応え充分です。フルーツたっぷりの自家製ケーキや、ふわふわのオリジナルパンケーキなどカフェメニューも充実し、ゆったりと過ごせます。
導かれるようにたどり着いた、京丹波での店づくり
2016年にオープンしたこちらの店を営むのは、シェフと、そのお嬢さんです。幼いころから、料理をするご両親の姿に身近に触れてきたというシェフ。
その後、「好きなことをやらないとだめ」という父親の言葉を胸に、デザインの道へ進み、家族と大阪府内で暮らしていたシェフは、時を経て、仲良しの娘さんと共に「いつかカフェを開きたい」と思うようになります。二人で調理師の免許を取得し、物件を探していましたが、なかなかしっくりくる場所が見つからない日々が続きました。
そんなある日、二人は偶然に京丹波町を通り、以前カフェが営まれていたというログハウスを見つけます。なぜかその物件に強く惹かれた二人は、すぐに建物の所有者に連絡、とんとん拍子で「Café & Lunch MINI ONE」の念願のオープンが決まったのでした。
ところが、町の外から来た二人は、最初は誰にも知られていない状態です。思うように周知もできず、材料が余ってしまうことも多かったといいます。「最初の2年間は上手くいかなくても作り続けました。次第にクチコミが拡がり、地元の内外から足を運んでもらえるようになりました。」とシェフ。今では地元の人が忘年会や送迎会を開いたり、毎年、店が主催するハロウィンパーティーが大盛況になるなど、地域の交流の場としても愛される存在になっています。
「盛り付けをしていると、デザイナーとしての経験が生きているなと思うことがあります」と研究熱心なシェフは、常にレシピのブラッシュアップに専念する毎日。お嬢さんは接客やお菓子づくりを担当し、親子二人で得意な分野を役割分担して店を営みます。「一度も喧嘩したことがないんですよ。娘と二人だからこそできました」と笑顔で語る姿から、二人三脚で店づくりをしてきたあたたかな雰囲気も、またこの店の魅力であることがうかがえます。
目と舌で楽しむ、カラフルなプレートランチ
店の看板メニューは、水曜から金曜限定の「MINI-ONE プレート 木葉ランチ」です。前菜のサラダとスープでは、十種類以上の野菜が白いプレートに美しくあしらわれ、うれしい驚きがあります。
野菜の種類は、農家の人とコミュニケーションを取りながら、希望の品種やサイズのものを届けてもらいます。「盛り付けはその日届いた野菜や、私自身に思い浮かんだイメージによっても変わります」というシェフの盛り付けの姿は、まるで器という白いキャンバスに絵を描いているよう。元デザイナーであるシェフの感性だからこその一品だと分かります。スーパーでは普段見かけない野菜も多いため、その新しい食感や甘みに感動したお客さんが、店内の野菜販売コーナーで購入して帰ることも多いそうです。
続いてメインのワンプレートは、水曜はワンプレート、木曜は半月盆、金曜は木の箱に詰め、日によって雰囲気がガラッと変わるため、また違う日に訪れたくなる一品です。取材日は、カボチャを器にした焼きカレーや里芋の団子、エビのオーブン焼きや地元のベーコンや鶏肉を使った一品など、調味料に頼らず、出汁や素材の旨みを引き出す調理方法にこだわった品々が並び、大満足です。
ボリュームたっぷり、なのに重すぎず体に優しい味わいなのは、シェフの「出汁を大切に、一品ずつていねいに下ごしらえをしています。甘さが足りなくても単に砂糖を入れるのではなく、果物を加えてみるなど、素材本来の旨みを壊さないよう気をつけています」というこだわりが貫かれているから。
「お客さんがメニューを気に入って、レシピを教えてほしいと言われたら、全部お伝えしているんですよ」とサービス精神旺盛なシェフ。その理由は、取材中何度も「感謝」という言葉が紡がれた、京丹波への思いにありそうです。
「京丹波に恩返しがしたい」と、イベント出店やテイクアウト弁当も
シェフは毎朝、大阪府の自宅から店まで通います。地域の外から見た京丹波の良さを伺うと「都会は無機質で、一年中景色が変わりません。京丹波に来ると、夏はみかん、秋は栗と季節ごとに空気のにおいも風景も変わり、新しい発見が尽きないところが魅力です」としみじみ語ります。運転しながら京丹波の風景を眺めて、盛り付けのアイディアを思いつくことも多いそうです。
「京丹波には豊かな食材があり、そして何より人がみんなあったかい。何かあれば様子を見に来てくれるんです。冬には雪かきを手伝ってもらったり、薪を届けに来てくれることも。町の人が助けてくれたから、ここまで続けることができました。そんな地域の方々に、料理を食べて『元気をもらえた』と言ってもらえるのが一番幸せです」
近年は、京丹波町のイベントへの出店や、お弁当のテイクアウトを始めるなど、ますます店は地域の暮らしの中に溶け込みつつあります。「地元の人に恩返ししていきたいですし、お店を通してたくさんの人に楽しんでもらいたいですね」と語るシェフの思いが循環し、ますます素敵な空間になりそうな「Café & Lunch MINI ONE」で、京丹波の恵みを味わいに訪ねてみてください。