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“ここにしかない食体験”を生み出そう!「海の京都料理LABO」プロジェクトがスタート

【海の京都エリア】
“ここにしかない食体験”を生み出そう!「海の京都料理LABO」プロジェクトがスタート

職種の垣根を越えて、ワクワクする事業を一緒につくりだす仲間を募集中!

こんにちは! 『食らし旅』編集部です。

「海の京都」とは、日本海に面した京都府北部エリアのこと。
冬場のブリやカニは有名ですが、甘鯛や丹後トリ貝に地酒、オーガニック野菜やバラエティに富んだフルーツなど、この地域には一年を通しておいしい食材がたくさんあります。

地元の食のすばらしさを世に広めるため立ち上がったのが、料理人や生産者をはじめとする40名以上の「食の専門家」たち。
地域内ネットワーキング、アイデア発想のワークショップ、グループに分かれての研究会などさまざまな活動を通して、“ここにしかない食体験”を創り上げ、実際に事業化するという意欲的な取り組みがはじまりました。

今回はこの「海の京都料理LABO」の、第1回目と第2回目の活動内容をご紹介します!

「海の京都料理LABO」とは?

「海の京都料理LABO」とは、「京都府ガストロノミーツーリズム創出事業」の一環として、2019年2月にスタート。
「ガストロノミー」とは食事・料理と文化の関係を考察すること。来訪者に、食を起点としてその土地の文化や自然についての理解を深め、有意義な観光体験をしてもらうことを目的としています。

「天橋立」や「カニ」といったシンボリックな名物ばかりでなく、地元の人が食べている四季折々の食生活や、日々大事にしている暮らし、伝統、習慣、地域への想い……それらをもっと観光客に身近に感じてもらうにはどうすればいいのか?

”ここにしかない食体験”を創出するには、もっと多くの発想やジャンルを越えた連携が必要です。
そこで料理人、農業者、漁業者、旅館・飲食店経営者、加工業者、酒造・交通事業者など垣根を超えた40名以上の有志たちが集まり、オープンなコラボレーションと柔軟な連携を前提としたLABOを設立。

「地域に根ざした環境や暮らし・文化にこそ、世界品質の体験の源泉がある」という目線で地域を見直し、それぞれが自由に意見を出し合い、しかるべき協力者を得られるネットワークを構築して、1年かけて事業化を目指していくのが、このLABOの最終的な目標です。

まずはモデルプログラムを皆で体験してみる

6月4日に行われた第1回目では、「訪日外国人向け農山漁村体験」として海の京都DMOから販売されているプログラム、[自然耕房あおき]の畑での収穫&試食会を、メンバーみんなで体験しました。

外部リンク https://www.value-press.com/pressrelease/218467

[自然耕房あおき]さんは有機野菜やエディブルフラワー(食べられる花)の生産・販売を行っており、既に外国人旅行者へ向けて収穫・料理体験も開催されています。

全員の自己紹介と、プログラム説明が終わったあと、参加者全員で畑に向かい、エディブルフラワーを収穫します。

どの花が食べられるのか、どんな料理に向いているのか、どんな特性があってどのように育っているのか……。

実際に畑を歩きながら説明してもらうことで、土壌の状態や生育の難しさなど細かな点まで知ることができます。

これからの世の中には自然を循環させるシステムが必要で、有機農業はその表現のひとつ……と考える青木さん。

[自然耕房あおき]さんでは農薬や化学肥料を使わずに、長い時間をかけて微生物がたくさんいる生命豊かな土をつくって来られました。手間をかけて育てた有機野菜は、通常の野菜よりかなり価格が上がってしまうため、通常の小売ではミスマッチが起こってしまいます。

滋味や栄養価など、真価を理解してくれる人にきちんと無駄なく届けるために、流通の構造そのものを変える必要がある……とのお話を通して、オーガニック農業のリアルな現状を垣間見ることができました。

摘んだお花を持ち帰り、[あおき]さんが用意してくれた野菜のお寿司に自由に盛り付けてみます。

食べてみると、しっかりとした野菜の味に、個性的な花の香り……。
いままで食べたことのない味は、食の専門家たちに、さまざまなインスピレーションをもたらしてくれたようです。


試食しながら、この体験を経て感じたこと、ふだんの営業で抱えている課題、これからどうしていきたいかの展望などを、個人的に語ってもらいました。

「直接生産者さんと話す機会があまりない」
「素材のストーリーなどを、従業員→お客さんに詳しく伝えるのが難しい、大変」
「野菜と魚のかけあわせなどを考えてみたいが、自分ひとりの発想では限界がある」
「イベントなども仕掛けていきたいが、人手がない」

などの課題が見えてきました。

アイデアは無限大!コラボして考えるワークショップ

7月16日に行われた第2回目のラボでは、新しい商品を発想するワークショップを実施しました。
宮津の「ととまーと」さんをお借りして、グループに分かれてのアイデアセッションです。


各チームに白地図を用意して、この地域の資源をどんどん書き込んでいきます。

「この地域にはオーガニックでがんばっている○○農園がある」
「ここには全国的にも注目されているブランドのフルーツがある」
「この海域では近年サワラがよく揚がる」

などなど、みんなの書き込みを集約することで、点だった情報が線になり、面になり、異なる素材をかけあわせることで、新たなアイデアがどんどん湧いてきます。

「こんなのがあったらいいな」という発想でイメージをスケッチし、他者のアイデアをみて回りながら、実際にやってみたいと思う案に投票します。

最終的には、5つものプロジェクトチームが立ち上がりました。

・発行食品極め隊

熟成フルーツガーリックを製造している[創造工房]の発酵施設や向井酒造のピンク酒粕やその他海の京都の食材を活用した、多様な「発酵」食品群の開発と、それらを活かした体験プランづくりに取り組む。

・宮与伊班

月1回程度メンバーで集まり、まずは自分たちで楽しみながら、漁師体験や里山トレッキングなどの体験をやってみて、旅行体験化できそうなコンテンツを発掘し、商品化を目指す。

・マップルズ

地域の食材がどこで、どういった方が生産・収穫されてきたか等のストーリーを伝えるためのマップを作成。旅行者や地域内の方々へこのエリアの魅力を伝えるツールに。

・チーム与謝野

路線バスの運行ルート・時間にあわせて、地域こだわりの農産物収穫体験と地産地消ランチを組み込んだツアーを提供し、与謝野の「循環型農業」を体験できる旅行商品を企画。宿泊施設との連携も。

・フルーツde丹後

海の京都エリアのフルーツを使った、見た目もかわいい商品の開発・体験メニュー化。

今後は、月1回程度の「海の京都料理LABO」全体ミーティングの他に、グループ毎でも随時集まり、研究会などを通して事業化を目指していきます。

 <あとがき>
海の京都エリアでのコラボレーションを目指して動き出したLABOの各グループへは、途中からの参加も大歓迎とのことですので、少しでも気になるテーマを見つけたら、気軽に参加してみてはいかがでしょうか?

また、上記グループの他に、自分の発案による新規グループを立ち上げてもOK。

興味を持たれた方は以下の「海の京都料理LABO」サイトから、問い合わせ・申し込みしてみてくださいね。

記事 平岡さつき/ 写真 平岡さつき

紹介情報

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