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丹後の食材が持つストーリーを多くの人に伝える「tangobar」で広げたい食育とは?

【丹後地域(宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)】
丹後の食材が持つストーリーを多くの人に伝える「tangobar」で広げたい食育とは?

京都で、東京で、丹後地域内で。広がる協力者の輪

こんにちは! 『食らし旅』編集部です。
みなさんは自分が食べるものについて、誰がどうやって、どんな想いでつくっているかご存知ですか?
毎日ふつうにスーパーで買い物しているだけでは、知る機会がなかなかありませんよね。

そんな知られざる食の裏側を消費者に伝えるため、活動している人々がいます。
管理栄養士である関奈央弥さんが主催する「tangobar」は、
丹後の生産者から直接仕入れた食材をシンプルにおいしく調理して、
参加者に食べてもらいながら、食の裏側にあるストーリーを伝える、食✕トークの新しいイベント。

近年じわじわと活動規模が広がり、開催場所や協力者たちが増えつつあります。
今回はこの「tangobar」の活動内容をご紹介します!

「tangobar」とは?

tangobaの様子

「tangobar」はお店ではありません。
イベントでありながら、メディアでもある。
京都や東京など自由に場所を変えて、移動式の「バル」のように、
人々が集い、食事をしながら食育について考える、不思議な場となっています。

「tangobar」では、関さんが丹後の生産者たちから直接仕入れた食材を使います。
食材の持ち味を最大限に活かすため、シェフはできるだけシンプル、かつ素材の味を引き出す調理法で料理。

食材ひとつひとつにつき、どんなところでどういう風に育ったのか、説明を聞きながら食べることによって、
素材の味がよくわかっておいしくなった、との声が会場で聞かれます。

どんな料理がでるの?

振る舞われるのは、丹後の豊かな山海の幸。
いずれも関さんが、顔の見える関係で仕入れた素材たちです。

tangobarの料理

季節の野菜を使ったサラダは定番のメニュー。シンプルな味付けで、野菜の味を楽しめます。

tangobarの料理

伊根の三野養鶏さんの卵を使ったオムレツ。三野さんの卵の黄身は、綺麗なレモン色をしています。

tangobarの料理

宮津の漁師本藤さんの魚を使ったカルパッチョ。四季によって色々なお魚が登場します。

牡蠣養殖をされている豊島さん

久美浜で牡蠣養殖をされている豊島さん。丹後の冬の味覚である久美浜湾の牡蠣は、あっさりした味わいが特徴です。

農家さんや漁師さん、酪農家さんが愛をもって、
手間と時間とお金をかけて育んだ、
いわば自然が生み出す命そのもの。
大事にいただこうという気持ちが自然と湧いてきます。

関さんが目指す「広義の食育」とは

tangobarを立ち上げた関さん

高校まで続けていたサッカーの影響でスポーツ栄養に興味を持ち、大学で栄養学を学んだという関さん。
大学在学中に「食育」分野に興味を持ち、卒業後は東京都の小学校で5年間、栄養士として働いた経験もお持ちです。

子ども達に日々食育を行う中で、「丹後の食の豊かさ」に可能性を感じて一念発起。
仕事をしながら「tangobar」を立ち上げます。

その後、2018年7月より地域おこし協力隊として丹後へUターン。
現在は地域おこし協力隊の仕事に加え、丹後の食環境を生かした食育事業及び、管理栄養士としての専門性を活かしたファスティング(断食)サポートに取り組んでおられます。

tangobarの関さんの食育の授業風景

「食育って、子どものためだけじゃなく、大人にもいろんなことを教えてくれると思うんです」

食をきっかけにして、その土地の伝統や文化を知ったり、
自然環境や生態系を知ることにもつながる。

生産者が抱えている課題や、循環型農業などの未来予想図を聞けば、
ときには政治や経済にまで話が及ぶことも。
目の前にあるひと皿は、その生命をもって、多くのことを私達に教えてくれます。

広がる参加者と協力者の輪

tangobaの様子


都市部で開催した時のイベント参加者は、
丹後にゆかりがある人はもちろんのこと、ただ丹後に興味がある人、
移住に興味がある人、地方と首都圏のかかわり方について感心のある人、
顔が見える生産者に興味がある人、これからの暮らしそのものをどうしようかヒントが欲しい人……などなど、
かなり幅広い人々が訪れています。

特に、次回イベントでは「京都移住計画」「京都移住コンシェルジュ」などの団体とも共催のため、移住という切り口での来場者・関係者も多くなりそう。

tangobaの様子

また、「tangobar」は都市部だけでなく、丹後地域でも開催されています。
丹後の食の素晴らしさを知ってもらいたいのは、外部の人だけではありません。

関さんの経験上、地元の人は隣近所の事情には詳しくても、意外と中距離圏内の食材の存在は知らないケースが多い。
知っていたら、地元のレストランや家庭でも、もっとたくさん地元の食材を使ってみようと思うかもしれない。
だから、地域の中でも積極的に知らせていきたい。

「勝手に知産知消って呼んでるんです」
ちょっとうれしそうに、お話しいただきました。

 <あとがき>
ゆくゆくはポートランドのように、「地域でとれた食べ物を地域内で消費するのがクール」という意識を地元の人に根付かせることができれば……。
そして、それをみた観光客が、「丹後のライフスタイルってかっこいいな」と思ってくれるようになればいい……。
そんな将来像を語ってくれました。

「tangobar」は、以下のサイトで生産者の情報を発信する活動も行っています。
イベントやメディアについて、何か少しでも関わりを持てそうだな……と思った方は、気軽に問い合わせてみてくださいね。

記事 平岡さつき/ 写真 提供

紹介情報

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