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【海の京都エール便】丹後の豊かな食を支える米

【宮津市/与謝野町/京丹後市】
【海の京都エール便】丹後の豊かな食を支える米

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こんにちは、食らし旅編集部です。

旬の食材をあなたのお家にお届けする「海の京都エール便」シリーズ。最終回の第6弾、おいしいカテゴリーは「お米」!
実は丹後のお米、米の食味ランキングの最高評価「特A」を何度となく獲得していて、海の京都の美味しい食を支えているんです。
今回は宮津市の世屋高原で米作りとジビエの狩猟から精肉・販売までをなりわいとされている小山さんご夫妻を特集。さらに全国的にもその美味しさを認められている丹後のお米を直販されている二つの生産者さんをご紹介します

棚田を守り、土着した米作りを チャントセヤファーム


ブナ林に囲まれた上世屋に広がる美しい棚田

「にほんの里100」にも選定されている宮津市上世屋地区。ブナ林に囲まれた棚田が美しい、昔ながらの風景が広がる山村です。

チャントセヤファーム代表の小山愛生さんが新聞社の宮津支局へ赴任してこられたのが2007年。取材先として訪れた上世屋の集落に惹かれました。そしてそれが彼の運命を大きく変えました。

当時、上世屋に仕事で関わっていた、移住者の有美恵さんと知り合い、結婚。2014年には新聞社を退職し、上世屋集落へ移住。夫婦で本格的に米作りに取り組んで7年目になります。


小山さんのコシヒカリで造られた『ひとやすみ』

自社製品の米酢の原料である米作りから取り組まれている宮津市の飯尾醸造の生産者としてスタートし、昨年からは上世屋からほど近い伊根町の向井酒造への出荷が始まり、小山さんのコシヒカリを使った新しいブランドのお酒「ひとやすみ」も生まれています。

小山さんの田んぼでは、米作りを始めた当初から有機栽培。自然農法での米作りなどの勉強を重ね、自分なりの米作りを目指して試行錯誤されています。


冬は雪で覆われる厳しい自然環境の上世屋

上世屋は世屋高原に位置するので標高が高く、一番上にある田んぼは下の田んぼより2〜3週間も田植えが遅くなるそうです。例年、田植えの準備を始める頃にはまだ雪が残っているとか。そのような気温差や水温差などを見極め、田んぼ一枚一枚、それぞれに合った米作りをする、それが楽しさでもあり、難しさでもあるそうです。

田植えも始まってお忙しい愛生さんにお話を伺っていた時、奥様の有美恵さんが持って来てくださったのがお茶碗いっぱいのご飯。赤米をたっぷり加えて炊かれたミルキークイーンでした。見た目はまるでお赤飯のよう。


丹後で復活した赤米を加えて炊いたご飯はもっちもち

ミルキークイーンはもっちりしていて、冷めてもかたくなりにくいので、炊き込みご飯に向いているということ。その特性を生かし、例えばえんどう豆と組み合わせた豆ご飯セットの販売も考えておられるそうです。うん、いいアイディア!
昨年のコシヒカリはもう完売しているので、ぜひミルキークイーンの美味しさを知って欲しいとのこと。

そして小山さんが営むもう一つの事業はジビエ。猟から解体、精肉、販売までを一貫して行っておられます。
2年前には「上世屋獣肉店」として処理施設を開業、主に飲食店に納入して、すでに「小山さんのジビエ」として人気を博しています。

個体差の大きいジビエの状態を的確に判断し、調理法に適した肉を料理人に届けることを大切にしているとのこと。


どんぐりをたっぷり食べて肥えた猪の脂は甘く香ばしい

農家としては獣害も深刻な上世屋の地は、猟師にとっては宝の山。豊富なドングリをたっぷり食べて育つ猪は特に美味なのです。

米作りと狩猟、両方とも豊かな風土を活用し表現するという点では同じスタンスだと、小山さんは考えています。


的確かつ迅速な処理で臭みの全くないお肉に

移住者が7割を占める上世屋地区には、和紙作家や藤織作家、観光に携わる人など多様な生業の人々が住んでいます。自分の仕事をしながらも、地区内で協力し合うところは協力して進める。それこそが脈々と繋がれてきた上世屋の伝統でもあります。


棚田を背景に、小山さんご夫妻

チャントセヤファームのお米には一粒一粒に上世屋の風景を感じさせる力強さがあります。大きな機械も入らない棚田で育ち、稲木干しされたお米には、驚くほどの手間がかけられているのです。

オトリヨセはこちら→→チャントセヤファーム


がっさゃ〜うみゃー米だどぉ まさ農園


有紀子さんが描くイラスト入りの米袋でお届け

まさ農園の木村正典さんが農業者としてスタートされたのは7年前、45歳の時。決して早くないスタートでしたが、生来の働き者の彼のこと、この7年でもともと色白だったとは思えないほど精悍に日焼けして、立派に農業者として独り立ちされています。主な産品は米、九条ねぎ、きゅうり。


まさ農園を営む木村正典さん、有紀子さんご夫妻

まさ農園がある与謝野町温江は大江山の中腹に位置し、西に向かって開けているので、日照時間が長いのが特徴。また、鉄分豊富な蛇紋岩で構成された大江山の地層から流れ出る水が育むお米は、特別に美味しいと評判です。

イラストそっくり(失礼!)のお二人が育てるお米は、ウェブサイトから注文できます。

オトリヨセはこちら→→まさ農園


環境に優しい農業を目指して 株式会社エチエ農産

エチエ農産は長年、京丹後市久美浜町女布の地で農業を営んでおられましたが、2007年に法人化して独自のブランドを築いてこられました。 2011年に有機JAS認定を取得した「おおきに大地米」は、有機肥料・無農薬のお米です。また特別栽培米も、国の規定よりも残留農薬成分がグンと低いレベルで栽培されています。


エチエ農産を設立し現在は会長の越江雅夫さん(右)と代表取締役の越江昭公さん(左)

京都市内の飲食店で提供されているお米は美味しいと評判高く、デパートの販売量もふえているとのこと。
また、府内の食品製造企業への出荷も多く、独自のブランド力を高めておられます。
安心・安全はもちろん、美味しさにもこだわり、丹念な土作りから生まれるお米を是非、お試しください。

オトリヨセはこちら→→株式会社エチエ農産




 さて、6回にわたってお送りして来た『海の京都エール便』シリーズ、気になる商品はあったでしょうか?

以前のように気軽に外出しにくい今、海の京都の美味しさをお家で味わって欲しいという、私たちの熱い思いが伝わったら幸いです。でも、もっと熱いのは生産者をはじめとする食を支える皆さん。お届けするお客様の顔を思い浮かべながら、日々の作業を続けておられます。
海の京都へ足を運んでいただくその日まで、ぜひオトリヨセでいろんな海の京都を感じてください。

記事 ハミルトン純子/ 写真 ハミルトン純子、原田美帆

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