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【1人前食堂・Maiさんのフードトリップ】〜「お茶の京都」をめぐる1泊二日の旅〜
【南山城村・和束町】800年の歴史を誇る茶原郷「お茶の京都」を歩く
京都府南部。奈良や三重に隣接するこのエリアは、800年の歴史を持つお茶どころ。抹茶・煎茶・玉露を生み出したこの地は、今も茶畑が広がり、世界へと茶文化を発信していることから、「お茶の京都」と呼ばれています。
そんな歴史あるエリアを、大学時代を京都で過ごし、今は人気YouTuberとして活躍する1人前食堂のMaiさんがフードトリップした様子を紹介します。
京都府唯一の村・南山城で「お茶の京都」を味わう
やってきたのは、京都駅から車で1時間半ほどの場所にある、南山城村。三重県・奈良県・滋賀県に隣接する府内唯一の村です。大学時代を京都市内で過ごしたMaiさんですが、お茶の京都エリアへ足を運ぶのは初めて。村に近づくにつれ見えてくるお茶畑の様子に興味津々です。
「お茶の収穫時期は春と聞いていましたが、お茶畑は年中緑色なんですね。春に摘まれるのは新芽だけというのは初めて知りました」(Maiさん)車窓からの風景を眺めているうちに、あっという間に最初の目的地である「道の駅お茶の京都みなみやましろ村」に到着です。ここは、2017年春にオープンした道の駅。「お茶の京都」エリアで最も観光客の多いスポットです。
人気は南山城村特産品のお茶「村茶」を使った商品の数々。茶葉や粉末緑茶、グリンティーなどお茶をストレートに楽しめるものもあれば、パウンドケーキ、どら焼き、アイスなどのスイーツも充実しています。また、南山城近郊の農家さんの朝採れ野菜や卵、地元で作られたパンや豆腐なども販売しています。
「いろんな野菜がありますね。運営会社の森本社長に聞いたところ、特に椎茸が人気なんだって。あっ、もう売り切れている……。残念!人気商品はすぐ売れてしまうから、買いたい方は朝イチで来た方が良さそうですね」(Maiさん)ランチは、道の駅の中にある村風土食堂「つちのうぶ」で。多くの道の駅は、テナントを誘致していますが、ここでは地元の人々が立ち上げた運営会社が直運営しています。働くのも地元のみなさん。そのため、村民がお客さんをお出迎えする時にぜひ食べてほしいと考えた村ならではのメニューだけを提供しているのだとか。「気軽に村の暮らしを味わえるのは嬉しいです」(Maiさん)Maiさんは茶どころならではの味と香りを楽しめる「お茶づくし御膳」を注文。
(天重・ミニ村抹茶そば・季節のサラダ・季節の小鉢・甘味がついた「お茶づくし御膳」)
「抹茶の天ぷらは初体験です。見た目からもっと濃い味を想像していただけど、たれが甘くて抹茶と合いますね。タレが和菓子の黒蜜みたいで、おやつ感もあります。天重に抹茶そば、甘味と抹茶好きにはたまらないメニューですね」(Maiさん)
お腹がいっぱいになり次の目的地へ向かおうとすると、森本社長が「おすすめのスポットがあるよ!」といくつか教えてくれました。せっかくなので、立ち寄ることに。
村唯一のパン屋や恋愛成就のパワースポットへ
教えてもらった一つ目は、村唯一のパン屋「ミッシーのぱん」です。
一見個人宅のようですが、母屋の奥に米蔵を改装したショップがあります。中に入ると、天然酵母と国産小麦のパンずらり。人気商品の「ビートルズのパン」をはじめ、地元のお茶を使った「抹茶メロンパン」、可愛らしいネーミングの「ねこのしっぽ」など、見ているだけでも楽しいパンが並んでいます。
「店主・三嶋さんの世界観が詰め込まれたお店ですね。どれもおいしそうで迷ってしまいます」(Maiさん)いくつか気になったパンをテイクアウトして道の駅で教えてもらった「恋路橋」と恋愛・縁結びで知られる「恋志谷神社」へ向かうことにしました。
「恋路橋」(正式名称:大河原橋)は、南山城村の中心部を東西に木津川に架けられた橋。「さっきから焼き立てパンを食べたくて仕方ない」とMaiさん。橋に座ってのんびり風景を眺めながら食べる時間は、心が穏やかになる素敵な時間です。(車も通る橋なので気をつけましょう)
「『抹茶メロンパン』をいただきます。生地もふわっふわ!さっきお昼ご飯を食べたばかりなのに、軽く一個食べれちゃいます」(Maiさん)
暖かな気候の中、のんびりした時間を満喫し、橋を渡った先にある「恋志谷神社」へ向かいます。
ここは恋愛成就で有名な神社。春と秋に開催されるお祭りの日には、お守りを求めて大勢の人が神社を訪れるそうです。
(「恋志谷神社」には「ハートの石を見つけると恋が叶う」との言い伝えがあります。Maiさんも見事探し当てました!)
「恋が叶ったら、恋志谷神社のおかげと思おう。見つけたハートの石は次の人のために返しておきますね」(Maiさん)
明治時代の校舎でクラフト作品に出会う
あっという間に夕暮れの時間。日が暮れる前に、本日最後の目的地である「STUDIO INTO」を訪れました。工房があるのは、2003年に廃校になった「旧田山小学校」。ここでクラフト作家の永尾博司さんは、家具や照明器具、カッティングボードなどを制作しています。
(木の個性を活かし作られたカトラリーやカッティングボードが展示されています)
「カッティングボードが一つあれば、すごく便利ですよね。料理に合わせてサイズを選んで、テーブルにそのまま出せるから私もよく使います」(Maiさん)
まるで明治時代にタイムスリップしたような廊下を進むと、「Café ねこぱん」があります。
「Café ねこぱん」は、2009年に永尾さんがオープンしたお店。「STUDIO INTO」を目当てに遠方から来られるお客さまをおもてなししたい、と永尾さんの奥様が腕を振るっています。(「Café ねこぱん」では、永尾さんが作ったカラトリーで食事ができます)
Maiさんが本日のおやつに選んだのは、ベーグルセット。近隣で採れたりんごを使った、りんごとキャラメルシナモンのベーグルと、南山城産の和紅茶をいただきます。「りんごとシナモンの甘くていい香りがします。中にもフィリングがずっしり。こんなに具沢山のベーグルは食べたことがないかも。表面はしっかりしてるんだけど、中はもちもちでフワフワの生地。りんごのフィリングが甘酸っぱくて、ベーグルの生地と相性ばっちりです」(Maiさん)
(ぐんま名月をはじめ旬の品種のりんごがたっぷり入ったベーグル。フィリングも全て手作りです)
「和紅茶もベーグルによく合いますね。癒されます。1日の旅の疲れが吹っ飛んでしまいました」(Maiさん)
(ベーグルの美味しさに負けないように、和紅茶は風味の高い「べにふうき」をチョイス。お店では5種類の茶葉から好きなものを選べます)
農家民宿でお茶所の暮らしを体験
こうしてあっという間に、1日目の散策は終了。今夜の宿泊先となる「農家民宿 篤庵」へ向かいます。民宿があるのは南山城村のお隣、「日本で最も美しい村」連合にも加盟している和束町です。「農家民宿と聞いて、どんなところだろう?と思っていたのですが、すごく素敵な空間ですね。ご飯もたくさん!ゆっくり休ませていただきます」(Maiさん)
京都市内から約15年前に和束町へ移住したご夫婦が、温かくお出迎えしてくれました。経営するご夫婦とお話をしながら過ごすのは農家民宿の楽しみの一つ。おいしいお料理のこだわりはもちろん、和束町のことや民宿を始められた経緯などの話をお伺いし、楽しい夜になりました。
(豚のしゃぶしゃぶにを中心に、お茶の佃煮、和束のお米など、自慢の手料理)
朝日を浴びながらお茶粥を味わう
翌朝もとても良いお天気。気持ちいい秋晴れの一日になりそうです。昨晩、到着した際は暗くてよく見えませんでしたが、民宿の前には茶畑が広がっていました。
(「農家民宿 篤庵」のお二人。この景色を気に入って移住を決めたそうです)
盛り沢山な朝食でパワーチャージを終えて、「和束町活性化センター」へ向かいます。
楽しみにしていた茶畑を回るツアーへ
ここでは茶畑散策やお茶摘み体験など体験型ツアーに参加できます。Maiさんが選んだのは、「茶源郷プライベートプチツアー」。約1時間ほどガイドさんに茶畑をご案内いただきながら、和束町や茶業の話をお伺いしました。(一面に広がる茶畑。椿に似た白い花がお茶の花)
「和束町は人口約3800人と小さなまちでありながら、うち300世帯が茶農家なんですって。全国的に有名な『宇治茶』の約半数は、和束産であることも初めて知りましたし、お茶の花も初めて見ました。知らないことがたくさんでとても面白いです」(Maiさん)
茶畑を眺めながらのランチは至福の時間
茶畑の散策でしっかり体を動かしお腹が空いてきたので、茶畑が窓一面に広がる「dan dan cafe」へ。ここは町一番の有名スポット「石寺の茶畑」の景色を堪能できるカフェ。絶景とおいしい料理を求めて、お茶好きな人々が多くが訪れます。こんな素敵な風景を見られるなんて、ここは和束町の一等地ですね。
「dan dan cafe」は、町民でありこの土地の持ち主である弟さんと、飲食業の経験があるお姉さんが、茶畑を楽しめるようにとオープン。手づくりのランチやスイーツが人気です。Maiさんは「本日のdandanごはん」を注文。(この日のメインは、鮭のタルタルソース焼き。他に、小鉢三品とご飯、味噌汁、ミニデザートが付きます)
「段々畑を見ながらご飯を頂けるって贅沢ですね。料理もどれも素敵な味付けでおいしかったです」(Maiさん)「ランチのミニデザートも食べたけど、ジェラートが気になるので追加で食べちゃいます」(Maiさん)(『濃い抹茶』と『ほうじ茶』のダブルはジェラートの中でも特に人気のフレーバーです)
「アイスを食べているのに、ほうじ茶を食べている見たい。抹茶も濃厚で、旨味が凝縮されています。視覚もお茶やし、味覚もお茶。抹茶三昧で贅沢ですね」(Maiさん)
最後に、おいしいお茶の淹れ方を学ぼう
茶畑やお茶を使ったランチ・スイーツを堪能して大満足な様子のMaiさん。だけど、せっかく和束まで来たので、旅の最後に「和束茶カフェ」で日本茶インストラクターの方からおいしいお茶の淹れ方を学ぶことにしました。一煎・二煎・三煎と淹れたお茶を飲み比べ、最後に茶葉を食べてみます。(今回は取材のため特別にカフェ内で体験させてもらいました。通常はカフェに隣接する研修室での実施となります)
一煎・二煎・三煎と味が変わっていくのも面白いですね。朝に飲むのもいいけど、午後の仕事をする時、眠気覚ましにもぴったり」(Maiさん)「お茶っぱがあれば、今日教えてもらった淹れ方でおいしくお茶を飲めますね。帰りにお店でお買い物して行こうと思います」(Maiさん)体験を終え、隣に併設するショップへ。和束町は宇治茶の約50%を生産している産地、その30軒ほどの生産者の商品を取り扱っています。シングルオリジン茶葉の品数は、府内随一です。
商品一つひとつに生産者名が書いてあるので、どんな人が栽培したかわかるのも「和束茶カフェ」の魅力。店員さんに相談しながら、Maiさんも自分好みのお茶を見つけたようです。
「お茶の淹れ方体験で飲んだかぶせ茶と、希少な玉露、飲んだことがないので試してみたくなった甜茶を買いました。東京に帰ってからの楽しみができました!」(Maiさん)
お茶を起点に暮らしがつくられている
こうしてあっというまに1泊2日のフードトリップは終了。今回は「お茶の京都」エリアの南山城村と和束町を訪れ、茶畑の散策して生産現場を見学するところから、お茶の料理を味わい、お茶の入れ方体験まで『お茶の京都』を堪能していただきました。
初めて訪れたというMaiさんの目に「お茶の京都」はどのように映ったのでしょうか?
「大学時代も含め約10年京都に関わってきましたが、全く知らない京都の一面を見ることができました。訪れる先先で、作り手の個性溢れる料理に出会って。どういう食材を使って何を作るのかというプロセスからも、作る人の土地への愛を感じました。出会う人みんなこの土地のものが大好きで、暮らしを楽しまれているんだなと思いましたね」(Maiさん)
「京都が持つ一つの資源としてのお茶ではなく、お茶があるから今の京都の食や文化が出来上がったのではないかと思うほど、お茶・土地・暮らしが密接につながっていると感じました。土地にある自然や風土とうまく付き合いながら暮らされている『お茶の京都』のみなさんの姿は、都会で生きている私にとってとても刺激的でした。海や竹、森の京都でもどんな出会いがあるのか楽しみです」(Maiさん)
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