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1人前食堂・Maiさんのフードトリップ〜お茶の京都編〜【STUDIO INTO・cafe ねこぱん】

【南山城村】
1人前食堂・Maiさんのフードトリップ〜お茶の京都編〜【STUDIO INTO・cafe ねこぱん】

遠い昔にタイムスリップしたようなギャラリー&カフェ

「お茶の京都」エリアは、抹茶・煎茶・玉露を生み出した、「日本茶のふるさと」と呼ぶにふさわしい地です。お茶の産地として全国的に有名であると共に、山間の静けさや豊かな自然環境に惹かれて工房を構える作家もいます。

今回ご紹介するのは、廃校になった小学校を利活用したギャラリー兼工房の「STUDIO INTO」と「cafe ねこぱん」です。

南山城村の風土に惹かれて、ギャラリーとカフェをひらくことになったご夫婦の元を、人気YouTuberとして活躍する1人前食堂のMaiさんが訪れました。

明治時代の佇まいを残した校舎

京都駅から車で約1時間半。三重県、滋賀県、奈良県に隣接する京都府東南端にあるのが南山城村です。お茶のスイーツや産直市場が人気のスポット「道の駅お茶の京都みなみやましろ村」から車で10分足らずのところにあるのが、旧田山小学校です。

[STUDIO INTO]の入り口(「は・ど・る」の玄関。かつて使われていた下駄箱が今もそのまま使われています)


2003年に廃校になった後、旧田山小学校は複合施設「は・ど・る」として生まれ変わりました。木工・ガラス・ペーパークラフトなどのものづくり作家の工房になっている教室、南山城村の茶葉を使った和紅茶を生産する教室、地域工芸のわら細工を見学できる教室がある他、カフェ、ギャラリーなどとして外に開かれている教室もあります。生徒たちが通った校舎の賑わいは当時のまま、今もなお村民に愛される場所です。

[STUDIO INTO]の店内の様子

木造の校舎は、明治時代に開校した旧田山小学校。緩やかな坂道にある校門を抜けると、たくさんの子どもたちが行き交ったであろう玄関、今にも賑やかな足音が聞こえてきそうな廊下が続きます。 まるで明治時代にタイムスリップしたかのような空間で、「STUDIO INTO」と「cafe ねこぱん」は、村の内外から訪れる人を迎えています。


素材の表情や風合いを活かす作品づくり「STUDIO INTO」

「STUDIO INTO」は、木工照明デザイナーの永尾博司さんが2006年、旧田山小学校に構えた工房兼ギャラリーです。家具・照明器具・カトラリーおよび京阪神の約30保育園でインテリア・家具・遊具の制作をしてきました。

[STUDIO INTO]の店内の様子


「まるで美術館のように素敵な空間ですね。小学校の良さをそのまま残しているから、味があります。ライトもカーテンも学校にあったものなんですね」(Maiさん) できるだけ小学校にあったものを活かして空間を作りあげた永尾さん。壁一面にお手製のカトラリーやカッティングボードが飾られています。素材になっている木は、サクラ、ナラ、カシ、お茶などさまざま。「木に合わせて作っているので、サイズも形もさまざまです。傷や割れ、節のある箇所は、外して別の木で埋めて使えるようにしています。欠点があるからといって捨てずに、素材を組み合わせることで却って味わいが増すこともあるんですよね」と永尾さん。 「木の種類によって色合いや伝わってくる温かみが違って面白いですね。資源をうまく使ってこんなに素敵な作品が出来上がるなんてすごいです」(Maiさん) 


[STUDIO INTO]の店内の様子(手に馴染むよう一般的なカッティングボードよりあえて薄く加工しているので、とても軽い)


「カッティングボードは自宅でよく使います。調理して、テーブルにそのまま出せるから一つあると便利ですよね。永尾さんのカッティングボードは、使うのがもったいないくらい可愛い。パンやサラダを載せて使いたくなりますね」(Maiさん)


ノスタルジックな空間「cafe ねこぱん」

永尾さんの作品を一目見ようと、「STUDIO INTO」には全国各地、時には海外の方も訪れます。彼らにほっと一息ついてもらえる場所を提供したいと、永尾さんと奥様が2009年に始められたのが、「cafe ねこぱん」です。

[cafe ねこぱん]の店内の様子(机や椅子、黒板を当時のまま。あるがままを活かすのが得意な永尾さんらしい空間です)


同じ校内にある一室を、永尾さんが空間プロデュース。自家製ベーグルと地元の野菜を使ったカレー、南山城村産の和紅茶など、地元の食材と旬を大切にした料理を提供しています。 「飽きることなく食べていただけるよう、ベーグルは保存料や添加物は無添加。卵やバターを使わずに作っています」と奥様。クリームチーズ、ほうじ茶白あん、ベーコン、ひよこ豆カレーなど、おやつ系から食事系まで充実したラインナップです。フィリングも全て手作り。

[cafe ねこぱん]の店内の様子

「『リンゴのキャラメルシナモン』と『南山城紅茶』のセットをいただきます。なんと、お皿やスプーンなどの金属カトラリーも永尾さんが作られたものだそうです。先ほどギャラリーで見ていたカトラリーで頂けるなんて、素敵。夢のようなベーグルセットですね」(Maiさん)

[cafe ねこぱん]の店内の食事する1人前食堂Maiさん

「りんごとシナモンの甘くていい香り。表面はしっかりしているんだけど、中はもちもちふわふわです。こんなに具沢山のベーグルは初めて食べました」(Maiさん)  南山城紅茶も同じ校舎内で製茶屋さんが作ったもの。ねこぱんでは、ベーグルに合う風味高い茶葉を5種類用意しています。Maiさんは「べにふうき」を選びました。 「和紅茶とベーグルは最高の組み合わせですね。優しい味わいで、1日の疲れが吹っ飛びました」(Maiさん)

[cafe ねこぱん]の店内の食事する1人前食堂Maiさん

他にもベーグルを使った「サーモンサンド」「ホットチキンサンド」、また南山城村産のブルーベリーをたっぷり使った「村のブルーベリースムージー」も人気です。

[cafe ねこぱん]のサーモンサンド(お客さんの声から生まれた「サーモンサンド」)


[cafe ねこぱん]の村のブルーベリースムージー(旬の時期に摘んだブルーベリーをたっぷり使った「村のブルーベリースムージー」)


非日常な空間で静かな時間を過ごす

 「南山城村にタイムスリップできるような場所があるなんて驚きました。上靴を忘れてスリッパを借りた小学校時代の思い出も蘇りました。教室の椅子や机、黒板、手洗い場など昔の校舎がそのまま残されていて、とても味わい深かったです」(Maiさん)

都会の喧騒から離れてゆっくりしたい時、茶畑と森に囲まれた旧田山小学校を訪れみてはいかがでしょうか。

メイン
<旅した人> 1人前食堂 Mai 1995年生まれの料理愛好家。子どもの頃から大の料理好き。2019年6月から「心ときめく食材とレシピに出会う日々」をテーマに、「1人前食堂」と名づけたYouTubeチャンネルを開始。自分のためにつくった料理を美味しそうに食べる動画が注目を集める。料理工程が丁寧でわかりやすく、独特の映像のセンスや、思わず聞き入ってしまうナレーションが人気。スパイスやハーブ、発酵食品など、食材や調味料に詳しく、さまざまなレシピの提案を行っている。チャンネル登録者数80万人。大阪出身。大学時代を京都で過ごし、現在は東京在住。

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