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【京都・福知山市】「スイーツのまち」の住人から愛される洋菓子店
【福知山市】
素朴な名物と世界一のショコラ、両方が手に入る無二の場所
織田信長に丹波国をまかされた明智光秀が築いた城下町・福知山。京都駅から電車で1時間半ほどの福知山は昨今、丹波栗や丹波黒大豆など地元の素材を活かした専門店が点在する「スイーツのまち」として人気が高まっています。そのムーブメントの中心人物、[洋菓子マウンテン]の水野直己シェフにお話を伺いました。

福知山のバースデーケーキといえば
友人への手土産には地元の素材を使ったプリン、お世話になった人へのお礼には世界一の称号を持つボンボンショコラを。福知山で暮らす人の日常に[洋菓子マウンテン]のスイーツは欠かせません。
アプリコットジャムを塗ったふわふわ軽いスフレ系のチーズケーキは、お父様が大切につくり続けていた看板商品。福知山のスイーツ好きなら誰しも食べたことのある名作です。

「誕生日に買い求めるケーキといえば、たいていショートケーキを思い浮かべると思うのですが、うちの常連さんたちにとってバースデーケーキは[洋菓子マウンテン]のチーズケーキ。 いつもはカットケーキだけど、この日ばかりはホールを買ってもらって好きな大きさにカットして食べる、という文化が福知山にはあるんですよ」と教えてくれた、シェフパティシエの水野直巳さん。

1978年、父の水野亘さんが[洋菓子マウンテン]を開店した年に直巳さんが誕生。 正直、学生時代は家業に興味を持てなかったそうですが、お父様のすすめで東京の洋菓子店[おかしの家ノア]に修業に出たことで意識が変わります。 「厳しく多忙な日々でしたが、だからこそ作業場から見えるお客様の嬉しそうな顔に救われた。 やりがいのある仕事なのだと、身をもって感じました。 チョコレートの基礎知識や技術、心構え、職人としての大切なたくさんのことを[おかしの家ノア]時代に学ばせてもらいました」。

わが町を愛するフランス文化に感銘
さらに洋菓子の本場を見たいと単身フランスに渡り、パティスリーやブーランジェリーで2年ほど働いた経験が今につながっていると言います。

勤務日以外もフランスの菓子文化に触れたくて目的地も決めずフランス郊外へ。
「長めの休日がもらえたら地方に行って、美味しそうな洋菓子店を探して『手伝わせてもらえない?』と直接交渉。 ブルターニュのクイニーアマン、アルザスのクグロフなど、どの地方にも自慢のお菓子があって、みんな『この地方が一番!うちのお菓子が一番だよ!』って誇りを持ってお菓子づくりをしている。 彼らの地元愛に感銘を受けました」。

帰国後の2007年、「ワールドチョコレートマスターズ 2007 フランス・パリ世界大会」にて、 水野シェフは世界第一位の総合優勝、「ベスト・アントルメショコラ」、「ベスト・チョコレートピエスモンテ」の両部門賞を受賞する快挙を成し遂げました。

天井がカーブを描く大人の空間、ショコラブティックに並ぶボンボンショコラ・杏と塩がその時の名作です。

素材も人も良い地元の良さを伝えたい
世界に認められた味を地元で再現する水野シェフの生き方に憧れ、[洋菓子マウンテン]の門をたたいたショコラティエの卵は数知れず。 水野シェフのもとで成長を遂げ、すでに東京や兵庫で独立開業する弟子たちが増えつつあります。

「妥協せず、努力し続ける習慣がついていれば、どこでお菓子をつくっても喜んでもらえると思います。 激戦区で力をつけて自分のスタイルを確立したら、いつか地元に戻る子もいるんじゃないかな」。 水野シェフの「洋菓子マウンテン」は、地元を愛する次世代の洋菓子職人たちにとって道標となっています。

福知山で生まれ育ち、東京、フランスで修業した世界的パティシエが見つけた自分にとっての理想郷は、福知山でした。 「一度、外に出たからこそ見えてくる地元の良さってあると思います。 新鮮な野菜、卵、牛乳など良質な素材が揃い、新しい素材を食べてもらいたい!と思える常連さんがいてくださる大切な場所です」。 ハイクラスなショコラを求めて遠方からやってくるスイーツ好きも、休みの日には家族3世代で通う地元の人も、 「わざわざ来てよかったね」と、帰り道は満面の笑み。 みんなの笑顔を日々の原動力に変えて、水野シェフは今日もスイーツと向き合います。




📍店舗情報
洋菓子マウンテン
(ようがしマウンテン)
京都府福知山市字猪崎小字山本 322
TEL:0773-22-1658
営業時間:11:00~18:00(カフェスペースのLO/17:30)
定休日:水曜休、他不定休有
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