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【京都府長岡京市】プレミアムな大人の遠足![サントリー〈天然水のビール工場〉京都]へ

【長岡京市】
【京都府長岡京市】プレミアムな大人の遠足![サントリー〈天然水のビール工場〉京都]へ

細川ガラシャも飲んだと伝わる長岡京市の水

京都市、向日市、大山崎町に隣接する長岡京市は、古来より水源に恵まれた地形。細川ガラシャが飲んでいたであろう井戸の石碑や、水飲み場が今も残されています。そんな長岡京市にある[サントリー〈天然水のビール工場〉京都]。金風が吹く秋のある日、製造工程の見学&ビールの試飲ができるツアーに出掛けました。

ビールづくりと天然水のおいしい関係

思いきり頑張った日も、思うほど頑張れなかった日も、美味しいビールで乾杯すればどれも良い一日に。笑顔を誘うサントリーのビールを製造している工場は、群馬、東京・武蔵野、京都、熊本・阿蘇の4ヶ所。すべて良質な地下水にこだわって選んだ場所でビールがつくられています。(群馬は見学不可)

「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」でつくられているのは、ネーミングも特別な日にぴったりの“ザ・プレミアム・モルツ”各種、麦のうまみが感じられる“金麦”、ビール気分が味わえるノンアルコールの“オールフリー”など、サントリーの主要商品たち。家庭向けの缶だけでなく、飲食店向けの樽も製造されていて、関西エリアで飲むことができるサントリービールの大部分は、ここから出荷されているそうです。

阪急西山天王山駅から歩いて10分ほど。さらにJR長岡京駅から無料シャトルバスも運行している
入り口では、ビールの香りや苦味に欠かせないホップがお出迎え
受付を済ませた後、工場の建物へと移動。エスカレーターで2階にのぼり、いよいよビール製造の現場へ。この日、ガイドをしてくださった谷村さん。工場見学&試飲の所要時間は70分ほど

ザ・プレミアム・モルツに使用するのは地下深くから汲み上げた天然水と麦芽、そしてホップだけ。副原料を一切加えないことを再認識
全面ガラスの窓の向こうに青空と京都西山を望む、仕込エリア。温めた天然水に砕いた麦芽を加え糖化させてから、ホップを加えて煮沸すると香りと苦味を持った麦汁ができる
イラストで一般的なビールの製造工程を紹介。発酵タンクの高さクイズにも挑戦してみて

貯酒、ろ過、パッケージングなど製造の順序に沿って進む。ビール缶やに充填されていくスピーディな動きにワクワク
試飲会場へはバスで移動。樽が積まれている風景やトラックに載せる様子を見られることも

ビールづくりを見た後の試飲は格別

神泡で知られるザ・プレミアム・モルツをはじめ、サントリー独自のこだわりは、言わずと知れた天然水。天然水とは、特定水源の地下水を原水とし、沈殿やろ過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行なっていない水のこと。大自然の中で長い時間をかけてろ過された、ナチュラルで清らかな水があってこそ到達できる味があると教えてくださったのは、案内役の谷村さん。

仕込釜で麦汁を2回煮出すダブルデコクション製法、最初にアロマホップを、麦汁煮沸の仕上げにファインアロマホップだけを投入するアロマリッチホッピング製法などを見学。サントリー独自のものづくりには、美味しさのためなら手間と時間を惜しまない、そんな姿勢が感じ取れました。

素材のこと、製造工程のこと、醸造家たちのこだわりについて知ることができる展示や設備すべてを見学したら、お次はビールの試飲!工場で飲む、タップから注がれたばかりのザ・プレミアム・モルツは格別。きめ細かな泡と華やかな香り、深いコクを受けとめる時間そのものが、大人の愉悦なのでした。

いよいよお待ちかねの時間!日本庭園や透かし彫りのインテリアなどに和む京都らしい空間でビールを試飲
定番のザ・プレミアム・モルツ、ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール、ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリームの3種を飲み比べ。クラッツ枝豆味との相性も抜群(試飲内容は時期によって異なる)

試飲後のお楽しみは、工場限定のグッズなどが販売されているショップコーナー(BREWERY SHOP)へ。


京都工場と地域の風景を描いたオリジナル商品をお土産に。左から、ピルスナーグラス750円、タンブラーグラス750円、木製コースター各620円

地域と連携することも、天然水を育む自然を守ることにつながる。BREWERY SHOPの一角にはビールに合う長岡京市の特産品やエリアを楽しむ情報が盛りだくさん。

職人技が光る[高野竹工]の野菜箸置き各530円や、極細箸1140円

工場見学後に立ち寄りたくなる、「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」のビールが飲める、工場近郊エリアのお店を記したサントリーぐるめぐりマップもチェックしてみて。

ビールの味をととのえる醸造技師長・倉兼敏さんにとって理想のビールとは?

「ザ・プレミアム・モルツの原料は、天然水以外だと麦芽とホップという農産物だけです。同じ場所で収穫されたとしても気候が違えば、麦芽とホップの味わいは毎年異なります。毎回、素材の状態をしっかり見て、どのように素材の力を引き出せば最もおいしいビールになるのかを考え続けています」と今回インタビューに応えてくれたのは、醸造技師長・倉兼敏さん。

このご時世、データの蓄積やデジタル技術を駆使すれば、安定した美味しさへと導けるのではないか?とお聞きしたところ、答えはNO。人を感動させるビールを生むには、人の情熱、経験、判断力が必要なのだそうです。

「つくり手として目指す理想のビールとは、美味しさに感動していただけるもの。感動するくらい美味しいビールをつくるには、日々の醸造からも貪欲に進化のヒントを探す必要があります。実際に飲み込んで香りや味、ビール全体を評価する官能評価で、良い出来だと感じられたら、その美味しさの原因はどこにあるのかを解析し、そのヒントを次に活かしていく、その繰り返しです。今日より、明日のビールを美味しくできるのはやはり人。経験をもとに一歩一歩、理想に向かって進んでいくしかないんです。あからさまは恥ずかしいので、製造途中のビールに『美味しくなれよ』と話しかけることはしませんが(笑)、心の中では祈りに近い気持ちで日々見守っています。」

倉兼敏さんは、北海道出身。2005年の入社からビール一筋。商品開発、原料の調達など様々な業務を経験し、昨年2023年から京都ビール工場の醸造技師長。全国4箇所の醸造技師長たちと毎月ミーティングを重ね、さらなる高みを目指す

📍施設情報
サントリー〈天然水のビール工場〉京都
サントリーてんねんすいのビールこうじょうきょうと
☎︎075-952-2020
京都府長岡京市調子3-1-1
9:30〜17:00
ショップ 11:00〜16:45
年末年始、工場休業日休(臨時休業有)
https://www.suntory.co.jp/factory/kyoto/

※予告なく内容を変更する場合があります。最新情報はHPをご確認ください。
BREWERY SHOPの商品は、販売の状況により品切れとなる場合があります。また価格は予告無く変更する場合があります。


紹介情報

  • サントリー〈天然水のビール工場〉京都
    TEL 075-952-2020075-952-2020
    ウェブサイト