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自家焙煎コーヒーが楽しめる!京都の個性豊かなコーヒーショップ・カフェ【3選】-向日市・長岡京市・大山崎町-

【向日市・長岡京市・大山崎町】
自家焙煎コーヒーが楽しめる!京都の個性豊かなコーヒーショップ・カフェ【3選】-向日市・長岡京市・大山崎町-

竹の里・乙訓で自慢のコーヒーと癒しの空間を満喫

京都はこだわりのコーヒーを提供する専門店やカフェ、喫茶店がひしめきあう激戦区。今回は、向日市・長岡京市・大山崎町の3つの町からなる竹の里・乙訓(おとくに)エリアから、自家焙煎コーヒーが楽しめる個性豊かな3店舗をご紹介します。焙煎マシンや生豆、焙煎時の煙や香りに出合えるのも醍醐味です。自慢の味わいに仕上げられたコーヒーと癒しの空間で、至福のひとときをご堪能あれ。

人にも地球にもやさしい味わいのコーヒー「NAKANOTEI COFFEE 天王山」


サントリー〈天然水のビール工場〉京都のすぐ近く。阪急西山天王山駅から南へ徒歩10分ほどの閑静な住宅街に立つマンションの1階に「NAKANOTEI COFFEE 天王山」があります。コーヒー豆のハンドピッキングを描いたスタイリッシュなロゴが目印です。


2022年11月にオープンした「NAKANOTEI COFFEE 天王山」は障がいのある人たちの就労を支援する作業所「こきゅう+」に併設。手前に広々としたお洒落なカフェスペースが広がり、その奥に作業所があります。営業時間は11:30~15:00、月・日曜が定休日。

運営するのは、京都を中心に就労支援や生活介護の事業所を展開する一般社団法人「暮らしランプ」。その一つにコーヒー事業があります。手作業で生豆の良し悪しを選別するピッキングから、計量、焙煎した豆の袋詰め、ハンドドリップまで、利用者さん各々の技能を生かした店作りにこだわっています。


注文が入るとスタッフさんが豆を挽き、ハンドドリップでコーヒーを淹れてくれます。香ばしく甘い匂いが店内に漂い、待っている時間も幸せ。

ドリンクメニューは「本日のドリップコーヒー」をはじめカフェオレ、アメリカン、ディカフェ(カフェインレスコーヒー)、アイスコーヒーなど豊富な種類が魅力です。


今回は「本日のドリップコーヒー」380円を注文しました。この日の豆はマンデリンという、インドネシアで栽培される希少なコーヒー豆。コクや苦みの中に穏やかな酸味が心地よく、ミルクとの相性も良き!宇治抹茶をふんだんに使った口溶け滑らかな自家製「濃厚テリーヌ」300円とぜひご一緒にどうぞ。

「豆はインドネシア、ラオス、タイ、ミャンマーなどアジアのものが中心です。ただ美味しいだけでなく、コーヒーを飲むことで貧困や環境問題解決の一助になればいいな。」とそう語るのは、事業長の小林明弘さん。生産量は少ないながらもアジアで採れるスペシャルティコーヒー豆は、産地ごとに独自の味わいをもっていて、個性的な酸味や爽やかな香りが評判なんだとか。


焙煎所はこちらから徒歩13分、国登録有形文化財の旧家「中野家住宅」を活用した「おばんざいとお酒 なかの邸」内にあります。それぞれの豆の特長を引き立てるため深煎りと浅煎りを混ぜたオリジナルのシングルを製造しています。

ふっくらつやつやの仕上がりをみて満足げな焙煎士の有我修一さん。この日は新しい豆のテスト焙煎の日でした。「スタッフやお客さんの声を取り入れて味づくりすることを信条としています。試行錯誤を重ねて豆の個性を上手に引き出せるといろんな味わいのコーヒーを生み出すことができます。それが焙煎のおもしろいところです。」



「NAKANOTEI COFFEE 天王山」、「おばんざいとお酒 なかの邸」では約10種類のコーヒー豆を販売中。焙煎所では毎日夕方に焙煎作業が行われているので興味のある方はぜひ足を運んでみてください。


老舗たけのこ農家が手掛けるコーヒー専門店「unknown cafe 香月庵」


京都・西山連山の麓に広がる乙訓エリアは、美しい竹林が広がる“京たけのこ”の名産地。阪急東向日駅から徒歩3分にある「unknown cafe 香月庵」は、200年続くたけのこ農家が2021年11月にオープンした、自家焙煎コーヒーの専門店です。(営業時間10:00~17:00 ※物販は~18:00、火・水曜定休)


「シンプルに竹林の中で美味しいコーヒーを飲んでもらえたら素敵だな、と思ったことがきっかけですね。店内は竹林に佇んでいるような癒し空間をイメージしました。竹林の美しい緑、きらきら輝く木漏れ日、風で笹が揺れる音や鳥のさえずりは心を落ち着かせてくれます。」と店主の長谷川静江さんがオープンの経緯を教えてくれました。




店内に入るとガラスのケースに入ったピカピカの焙煎機がお出迎え!焙煎士の高度な焙煎技術をプログラム制御した全自動の自家焙煎マシンは、なんと「メイドイン京都」。毎日使う分だけを焙煎するので、常に新鮮なコーヒーを提供することができます。


「たけのこと同じくコーヒーも鮮度が命。」そう話すのは、店主の娘さんでマネージャーの長谷川千夏さん。「豆はスペシャルティコーヒーのみを扱っています。高品質なのはもちろんのこと、生産者の顔が見えて安心感がありますね。また農園ごとに個性も楽しめます。同じ農家として共感が持てますね。」




カフェでいただける自家焙煎コーヒーは、ブレンドが1種類、シングルオリジンが4種類で「週替わりのチョイスコーヒー」、「レッドマウンテン」(ケニア)、「マンデリン」(インドネシア)、「ジグリ農園」(パプアニューギニア)があります。各600円。

マグカップは軽くて口当たりも良い清水焼の特注品で竹をイメージして作ったそう。200ccとたっぷり入っているのでお得な気分になります~。

初めてのお客さんにおすすめは、香り、甘み、酸味、苦み、コクのバランスが良いブレンドコーヒー「unknownブレンド」。ケニア、インドネシア、ブラジルの3種類をブレンドしています。


またフードメニューは3種類。写真は自家栽培の京たけのこの炊き込みごはんを使った「筍ごはんのこむすびセット」(600円)。小さいおむすび3つに、京たけのこの佃煮、すまし汁が付いています。意外にもコーヒーとの相性抜群です。

ちなみにテイクアウトできる豆は常時10種類。注文してから約10分で自分好みに焙煎されたコーヒー豆が完成。マシンによる焙煎風景を眺めて待つひとときも癒やされます。


コーヒー初心者も安心して“おいない”「oinai coffee」


阪急長岡天神駅すぐ近くのセブン通りを歩くこと約15分。こちらは、店主・日高克子さんが「気軽な気持ちで美味しいコーヒーを飲んでもらって暮らしを豊かにしてもらえたらいいな。」との思いからはじめたコーヒーショップ。小さな看板が目印です。隠れ家的な雰囲気があり落ち着いた気分で過ごせます。
カフェの営業は原則水・日曜で、豆のみの販売は不定期で行います。2021年1月にオープン以来、営業日は少ないながらも狙って訪れるファンがじわじわと増えています。※営業日はSNSや公式ホームページからチェックできます。


もともとサラリーマンだった日高さん。コーヒー好きが高じてコーヒーイベントや、焙煎体験に参加するうちに焙煎の魅力に惹かれ、専門学校で焙煎からショップ経営までを学び卒業後に独立しました。

コーヒーのいい香りに誘われてご近所さんも一服しにやってきます。店名の由来を尋ねたところ、「『おいない』は京言葉で『おいで』の意味。小さい頃祖父がいつも『こっちへ、おいない』と呼んでいました。わたしにとって昔の思い出が詰まった心地よい言葉なので店名にしました。」と教えてくれました。


コーヒーのラインナップはブレンドと、浅煎りからから深煎りまでそれぞれの豆の個性を引き出すように焙煎されたエチオピアやブラジル、グアテマラ、メキシコ(デカフェ)の4種類のシングル。


こちらは「oinaiブレンド」400円。酸味は控えめに、あっさり、すっきり飲みやすい一杯です。「初めてのお客さんには、まずは親しみやすいブレンドコーヒーがおすすめ。ごくごくと毎日でも飲める落ち着いた味わいに仕上げています。」と丁寧にハンドドリップしながら話してくれる日高さん。自分のためだけに淹れてくれる一杯は格別ですね。


また、シングルを飲んでみたいけれどどれを頼んでよいのかわからないときは、ぜひ気軽に相談してほしいと日高さんは言います。
「苦い・酸っぱい(フルーティー)とか、重め(深煎り)・軽め(浅煎り)とか、好みを教えてもらえたら、お客さんにあったものを選ばせてもらいます。また、香りは好きだけど、コーヒーの味がどうも苦手で……という方こそ、好みの味が見つかるかもしれません。コーヒーが好きになるきっかけになればいいなと思いますね。」 

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