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日帰りでも楽しめる京都の贅沢蟹ランチ!京都の“ブランド蟹”「間人ガニ」「舞鶴かに」を手軽に味わう

【京丹後市・舞鶴市】
日帰りでも楽しめる京都の贅沢蟹ランチ!京都の“ブランド蟹”「間人ガニ」「舞鶴かに」を手軽に味わう

冬の味覚の王様・松葉ガニを自分で選んで、その場で調理してもらう

海の京都を代表する冬の味覚といえば、なんといっても松葉ガニ(ズワイガニ)。旅館やホテルのカニプランも魅力的ですが、予算を抑えて楽しむならカジュアルにランチで味わうのもおすすめです。今回は、京都の“ブランド蟹”を食べられるお店のなかから「自分で選んでその場で調理してもらえる」お店をピックアップ。美味しいカニの選び方もご紹介します。

丹後ひもの屋(京丹後市)


まずご紹介するのが、京丹後市にある丹後ひもの屋。京都府最大の淡水湖「離湖(はなれこ)」のほとりに佇むこちらのお店は、水産卸直営ならではの品質と価格にこだわる松葉ガニを、生簀(いけす)から自分で選んで味わえる「生簀活蟹(いけすかつがに)」が人気を集めています。


店頭に用意された生簀には、京都のブランドである「間人(たいざ)ガニ」「舞鶴かに」をはじめ、近隣の漁港で水揚げされた松葉ガニが大きさごとに分けられています。ここから自分が食べたいカニを選ぶのですが、目利きができなくても大丈夫!スタッフの方が親切にアドバイスをしてくれます。


丹後ひもの屋では、購入料金に調理代金(購入料金の20%)を支払って、さばきたての新鮮なカニがいただけます。松葉ガニはエラと甲羅をのぞけば余すことなく食べられるのが魅力で、丹後ひもの屋ではなんと心臓も希望に応じて提供。ほのかな潮の香りにぷるぷるとした独特な食感は、活ガニだからこそ味わえる珍味なのだとか!


カニの食べ方も希望に合わせて、カニ刺し、カニしゃぶ、焼きガニ、カニすきと自由にセレクト可能(ゆでガニの場合は、一杯丸ごとゆでるため他の調理法は不可)。まずはカニ刺しをいただきます。弾力のあるカニの身を氷水に入れて冷やすと、まるで華が咲いたような美しい見た目に。オーソドックスにわさび醤油でいただくのもいいですが、濃厚なカニ味噌につけていただくのもおすすめですよ。


香ばしいカニの身を満喫するなら、やっぱり焼きガニが一番!中火で焼いて身の色が白く変わったら食べ頃です。熱を通したカニ味噌につけていただけばこれもまた美味!ほっぺが落ちそうな美味しさとはこのことを言うのですね。


生でも食べられるほど鮮度が良いカニだからこそ、ぜひ味わいたいのがカニしゃぶ。ダシに数回くぐらせていただくと、プリプリとした食感を楽しめます。食べやすいように捌いてもらえるので、殻を剥く手間がなく、子どもでも食べやすいのがいいですね。


寒い冬にうれしいカニすきは、野菜と雑炊セット1人1100円を追加すれば注文可能。カニの深い旨みや甘みを味わえるのはもちろん、お野菜もしっかりいただけます。最後は、カニの旨みが溶けこんだダシにご飯を入れて雑炊に。カニの身やカニ味噌を添えれば、より贅沢な〆ごはんになりますね。このように松葉ガニを多彩な食べ方でいただけるのが「生簀活蟹」の最大の魅力。どんな食べ方を選ぶか悩む時間も楽しいですよ。


この「生簀活蟹」を始めたのが、丹後ひもの屋で女将を務める小谷奈穂さん。「せっかく丹後にお越しになられた方に、活ガニの美味しさを知っていただきたい」という思いから、自分で好きなカニを選んで食べられるこのサービスを始めたそうです。


丹後ひもの屋の活ガニは、目利きはもちろんのこと品質管理にも徹底的にこだわるため、カニ本来の旨みと甘みを味わうことができます。京都市内の高級料亭にも卸しているそうで、味の良さは折り紙付き。「お越しになられた方のなかには、活ガニを初めて目にするお子さんもいらっしゃいます。『生簀活蟹』を通じて、命をありがたくいただく食育につながればうれしい」と小谷さん。毎年カニシーズンが始まると決まって訪れる常連客も増えているそうで、丹後の冬の名物になりつつあります。

 

舞鶴港とれとれセンター(舞鶴市)


次にご紹介するのは舞鶴市にある「舞鶴港とれとれセンター」。京都府随一の水揚げを誇る京都府漁協舞鶴魚市場の鮮魚仲買人が出店しているため、新鮮さや安さは抜群!種類も豊富な魚や貝、海老などを目の前で調理してもらい、その場でお造りや海鮮焼きなどにして食べられるシステムが好評です。


今回ご協力いただいたのが、新鮮な舞鶴の魚や手づくりの干魚が自慢の「魚たつ」。平成元(1989)年の創業以来、担当者自身がセリに立って毎日新鮮な魚介類を買い付けています。


棚をのぞいてみると、立派な活ガニやゆでガニがズラリと並んでいますね。吟味するお客さんの目も真剣そのもの。


こちらは、松葉ガニの雌のセコガニ(コッペガニ・香箱ガニ)。オスに比べるとサイズは小さいですが、身はもちろんのこと、内子や外子、カニ味噌の美味しさに定評があり、お財布にやさしい価格も人気のポイントです。


こちらでも、自分で選んだカニを焼きガニやカニ刺しにして食べることができますが、今回は間人ガニのゆでガニを注文。オーダーが通るとスタッフが見事な手つきでカニを素早くさばいてくれます。ちなみにゆでガニの美味しさの秘密は、塩加減とゆで時間。一見シンプルに見えますが、各店それぞれにこだわりがあり、お湯の味をみながら塩加減と時間を巧みに調整する熟練の技が求められるそうです。


新鮮なカニの美味しさを凝縮したゆでガニは、甘くて繊細。旨みもたっぷりのカニ身と濃厚なカニ味噌がたまりません。カニ味噌に身を絡ませていただくとさらに美味しさが際立ちます!


こんな美味しいカニをまるごと一杯味わえるなんて、なんて幸せな気分!カニ好きにはたまらないひとときです。


さらに舞鶴港とれとれセンターでは、寿司店で酢飯だけを、丼専門店でご飯だけを注文することが可能。ゆでガニをたっぷりのせてカニちらしやカニ丼にして味わうことができます。さらにお造りものせれば、より豪華なちらし寿司や丼が完成します!こちらも、ぜひお試しください!


美味しいカニの選び方は?


せっかく松葉ガニを自分でチョイスしていただくのですから、より美味しいものを選びたいですよね。そんなカニの目利きになるためのポイントを、魚たつの会長で舞鶴港とれとれセンターの理事長を務める藤元達雄さんに伺いました。


「まず注目していただきたいのは、カニの脚に付けられた識別タグ。京都府産の雄ガニだけに漁港名や船名を記した緑色のタグが装着されています。京都府産の美味しいカニを探す際は、タグの有無をチェックするのがポイント」と藤元さん。松葉ガニは主に日本海で獲れますが、京都府沖の漁場は砂地が多く、他の地域に比べて相対的に脚が長いのが特徴です。さらに、京都府有数のブランドガニとして知られる「間人ガニ」は、漁港から漁場までの距離が近いことから、獲れたての鮮度を保ったまま水揚げできるため美味と評判。


またその姿と味の良さ、高級感が人気の「舞鶴かに」を選ぶ場合は、PRキャラクター「チョキまる」のプレートにも注目を。①脚の欠損等がない②活ガニで、③成熟して身の詰まりが良好であるという3つの条件をクリアしたものだけに、このプレートが装着されています。こちらもカニを選ぶ際の目安にしてください。


カニは脱皮にエネルギーを使うため、脱皮したては身の詰まりがよくありません。そこで「脱皮してから月日が経っているかを見分ける方法がある」と藤元さんが指差したのが甲羅に付く黒い粒々。これはカニビルの卵で、人にもカニにも全く害がないもの。カニが脱皮してから月日が経つほど卵の数が多くなるため、甲羅にたくさん卵がついているほど、カニの身が詰まっている証だそうです。


加えてカニの頭を指で押したときときに硬ければ硬いほど脱皮から月日が過ぎた証拠。より身の詰まりに期待が持てそうです。


さらにチェックしてほしいのがカニのお腹の部分。「お腹がピンク色であればあるほど身がしっかりと詰まっている」と藤元さん。逆に黒ずんでいると身が痩せ細っている証拠なのだとか。こちらもカニを選ぶ際の参考にしましょう。


京都府のカニ漁は例年116日~320日頃までですが、雌のセコガニは資源保護の観点から1231日までと定められています。「雄の松葉ガニはもちろん、雌のセコガニも味わうならぜひ12月頃までに来てもらうのが一番」と藤元さん。「できれば現地まで足を運んで、新鮮なカニの美味しさを味わってほしい」とも話します。京都市内から舞鶴までは京都縦貫自動車道で約1時間30分、丹後ひもの屋がある京丹後市も車で約2時間のアクセス。今年の冬は、海の京都で「間人ガニ」「舞鶴かに」を味わってみませんか。

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