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地域のアクション

〈竹の里・乙訓 内井不二男さん〉 「向日市と観光客の橋渡しをしたい」
第2の人生は社会のために
温かく人々を見守るセンター長の観光への想いとは

2021/03/03

map_take.png 竹の里・乙訓

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2020年11月14日、JR「向日町駅」から徒歩2分の場所に、向日市の施設「向日市観光交流センター まちてらすMUKO」がオープンしました。市民が待ち望んだ観光施設は、オープン初日に1500人が駆けつける大盛況ぶりで、以降も街の人々の憩いの場になっています。

この施設にセンター長として就任した、向日市在住の内井不二男さんは、定年を迎えるまで大手の電話会社で勤めあげました。退職後も精力的に活動する内井さんに、今後の展望を伺いました。

向日市観光交流センター まちてらすMUKO センター長 内井不二男さん

—オープンしたての観光交流センター

「向日市観光交流センター まちてらすMUKO」は、向日市の観光施設です。2階建ての施設には、地元の旅行会社をはじめ、手作りのパフェやスイーツが好評のカフェ、市内の農業従事者が育てた新鮮な野菜や手作りの加工品を販売する「愛菜楽市」、貸しスペース「地域交流スペース」を設けています。

施設のそばにはJRの操車場があり、晴れた日は操車場を出入りする列車を一目みようと、近所の園児たちが集まり、楽しく過ごしているそうです。

現在は、手指の消毒スポットを設け、感染予防対策を行ったうえでオープン中。取材中も地元の人々が途切れることなく出入りし、カフェでくつろいだり、野菜の品定めをしたりする姿が見られました。また2階の「地域交流スペース」では連日催しものが開催され、人数を制限しながら来場者を迎えていました。

—「第2の人生は観光ガイドをやりたい」

この施設でセンター長を務める66歳の内井さんは、新卒から定年まで大手電話会社で勤め上げ、顧客対応のスペシャリストとして長らく担当してきました。「お客様対応は本当に大変でした。それでも定年まで頑張りましたよ」と、ハードだった当時の業務を振り返ります。

そんなに大変であったなら定年後はゆっくりされたらよかったのでは、と尋ねると「他にしたいことがあったんですよ」とお茶目に笑って答えます。その「したかったこと」とは観光ガイド。内井さんは、手始めに「向日市ふるさと検定」を受験したそうです。

「向日市ふるさと検定」とは、1.8キロメートルにも及ぶ竹林の癒しの散策路「竹の径」や、かつての都「長岡京」の宮跡など、自然豊かな向日市の魅力を多くの人に学んでもらおうと、向日市が企画・実施しているご当地検定です。2017年よりスタートし、2021年で5回目を迎えましたが、5回目は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止に。翌年以降の再開が望まれます。

—講師の指名で観光交流施設のセンター長に就任

ご当地検定で最高難易度の上級に合格したことがきっかけとなり、さらなる学びを、と2019年に向日市企画広報課が主催した「むこう観光スタートアップ講座」でガイドコースを受講。あわせて、地域の観光を盛り上げるマネジメントコースにも参加し、積極的に観光について学びました。引き続き翌年の2020年も受講する中で、内井さんは同年11月に「向日市観光交流センター まちてらすMUKO」のオープンを知ります。

「まちてらすMUKOの指定管理業者で、マネジメントコースの講師も務める企業「船井アソシエイツ」の代表から『センター長にならないか』と指名していただきました。その時の私は学校の校務員を務めていましたが、声をかけていただいたのも何かの縁と思い校務員を退職し同年お引き受けすることにしました」。

—「観光ガイドを通じて向日市の魅力を伝えたい」

センター長の仕事は施設全体の管理を行うことですが、オープン当初は1人で全て対応していたため、目が回るような忙しさだったそうです。当面は本社からの応援スタッフやボランティアスタッフがいるものの「やることが多く1人ではまかないきれなかったので、もう1人スタッフを増やしました」と、内井さん。

多忙の中でも、来場者とのコミュニケーションは欠かしません。親子連れに「また来てくれたんやね、ありがとう」と声をかけるなど、温かいまなざしで穏やかに接しています。そんな内井さんに、観光ガイドをやりたい理由を尋ねると「社会の役に立ちたいから」との答えが返ってきました。

「定年までは会社に尽くしてきましたので、今度は観光ガイドで向日市を盛り上げたいと思っているんですよ」とのこと。と言うのも「京都市内にはたくさんの観光客が訪れているのに、向日市に観光客はあまり来てくれません。私たちの街にも自慢できるスポットはあるので、観光客へもっとアピールできたらと考えています」と熱い想いを語ってくれました。

—センター長だからできる、向日市の観光PR

施設のまとめ役として活動している今は「この施設を拠点に、観光客に向日市の魅力を知ってほしい」と話します。例えば、愛菜楽市では向日市の名産・竹を使った箸やスプーン、竹筒などの竹製品のほか、地元のタケノコを使った手作りの炊き込みご飯や、筍山椒などの加工食品を販売。また、向日町駅の西側に広がる、激辛グルメで有名な「京都向日市激辛商店街」の食品も多数扱っています。

さらには施設の敷地内にレンタサイクルを設置し「自転車で向日市の観光スポットを巡っていただいたら」とも。

「購入いただいたお客様に『先日の○○、おいしかったよ』と言っていただけたら、その喜びの声を生産者さんへお返しすることが私の仕事」と語る内井さん。
春が訪れれば、旬の筍も並ぶ予定だそうです。「施設がオープンしてから初めての春を迎えます。筍が店頭にどれだけ並ぶかはわかりませんが、お客様に喜んでいただけるよう、米ぬかをセットでお渡しすることも考えています」。

—向日市の象徴・竹垣を展示したい

今後は「8種類の竹垣を施設に展示できれば面白いと思っているんですよ」と、内井さん。“竹垣”とは「竹の径」の両脇に立つ、古墳垣や寺戸垣、物集女垣、かぐや垣などの、向日市を象徴する特徴的な8種を指します。
「地域のお年寄りにも細く長くお越しいただきたいですね。マルシェは毎月開催し、人々が楽しく集まれる場になれば」とも語ってくれました。

定年を迎えてもなお、新たにチャレンジし続けられる、あふれるバイタリティの裏側には「向日市を盛り上げたい」という情熱を感じました。施設はまだオープンしたばかり。さらに発展するために、内井さんの挑戦はこれからも続きます。

向日市観光交流センター まちてらすMUKO

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