食らし旅

閉じる

地域のアクション

〈海の京都 上林大基さん〉 仲買人の店主が目利きする舞鶴の地魚
カフェテリアみたいなおしゃれな魚屋さん
新鮮魚介をテイクアウト・イートインでも

2021/03/03

map_umi.png 海の京都

1_sakanateracce_main.jpg

舞鶴で話題を呼んでいるこれまでにないスタイルの魚屋さん。
鮮魚をまるまる一匹調理してもらったり、多彩に揃ったお惣菜から選んだり。
すべてテイクアウトできるから、おうちごはんにぴったりです。
港町ならではの珍しい地魚に出会えるのも楽しみですね。

—まるごとの鮮魚がズラリと並ぶ

とれたての魚が並ぶ魚屋さんと、カフェのようなイートインスペースがドッキングした「サカナテラス」。
まず気になるのはさまざまな魚がズラリとお目見えする海鮮コーナー。もそもそと足を動かす舞鶴(松葉)ガニ、殻付きのカキやサザエも新鮮そのもの。お馴染みのマルアジやスズキに混じって変顔がかわいいオコゼや初めて見る地元ならではの魚もあって、いくら眺めていても飽きません。いずれも舞鶴漁港に朝揚がったばかりの魚が中心です。

一方に刺身やお寿司のコーナーがあるかと思えば、奥にはバラエティ豊かな惣菜が並んでいます。購入した惣菜はテイクアウトか、その場でイートインしてもよし。
セルフサービスのイートインスペースは木目を生かしたナチュラル感覚のインテリアでまとめられ、まるでカフェテリア。座敷があるので家族連れも利用しやすい。食事をしなくてもコーヒーだけ、アイスクリームだけなんて使い方もでき、地域の方の憩いの場になっています。

—魚好きならたまらない楽しみ方がいろいろ

お客さんは、家族のおかずを買いにくるお母さんから惣菜目当ての単身赴任の会社員、または飲食店が仕入れに訪れることもしばしば。
海鮮コーナーの魚は三枚おろしや皮むきは無料、お造りや塩焼き、煮付け、唐揚げは魚の代金によって100〜300円追加で調理をしてくれます。家庭の小さなグリルではうまく魚が焼けないから、せっかくの高級魚だから失敗したくない、料理はプロに任せたいという人にとってもうれしいシステムです。
ほとんどの惣菜を1人前ずつパックしているのは、家族それぞれが食べたいものを選べるようにという配慮。大人は焼き魚がよくても、子どもたちはやっぱり海老フライが好きだったりしますよね。
イートインスペースでは、お昼は店頭の惣菜にご飯と味噌汁をプラスした定食スタイルの気軽なランチを。夜には居酒屋使いで、選んだ鮮魚の料理をオーダーして作りたてのお造りや焼き魚を楽しむなんて、魚好きにはたまらない贅沢な時間が過ごせます。

—自転車での日本一周旅に出たものの…

店主の上林大基さんは、舞鶴漁港の仲買人の資格を持っています。市価より安く魚を提供できるのは、直接仕入れするおかげ。魚の知識も豊富な頼れるお兄さんです。
上林さんは京都の大学に在学中、自分の店を持ちたいと決心し、2年で中退。資金を貯めるため、アルバイトに励みます。働きに働いてようやく貯金もでき、開業準備をする前に、自転車で日本一周の旅に出ました。
お金は持たず無一文、途中で資金を稼ぎながらの冒険旅行です。
「舞鶴を出て最初は、京都の街のど真ん中の交差点で『今から日本一周に挑戦します。おもしろいと思われた方はカンパしてください!』ってお願いしました。それからは旅の途中で撮影した写真を路上で売ったり、いろいろ楽しかったですね」
1年近く順調に旅は続きましたが、運悪くトラックの事故に巻き込まれ、命に関わる大怪我を負ってしまいます。

—仕入れ先の水産会社にも所属し、仲買人の資格を取得

もちろん旅行はそこで中断。当初は京都市内に店を持つ計画でしたが、両親を心配させないよう地元に戻り、仲間と海鮮居酒屋、ステーキ店を開きました。これまでに地域になかった業態が当たり、店は順調。
そんなとき仕入れ先の水産会社社長から「うちの会社にも所属して仲買いをしてみないか?」と誘われ、セリの指数字から魚の目利きや相場まで教えてもらい経験を積み、仲買いの権利を取得しました。
仲買人としてこれからは自分で直接仕入れができる。以前台北で見つけたおしゃれな魚屋さんをヒントに温めていた、サカナテラスのイメージを実現する準備が整ったのです。

—舞鶴の地魚をもっと知ってもらいたい

サカナテラスには地元客以外に、旅行に訪れた他府県の人も来店します。「舞鶴にこんな珍しい魚があった、美味しかったよ」と思い出の一つにしてほしい、港町にきた気分を味わってもらいたいと上林さん。並んでいる珍しい魚を見て「水族館みたい!」と喜ぶ子どもたちもいるそう。
これからは店主であり仲買人という強みを生かして、生産者と消費者の間をつなぎ、両方に貢献したいと言います。
「マイナーな魚、名前が知られていない魚にも、美味しいものがたくさんあるんですよ」
生産者のためにも、そういった漁獲量が少ないという理由で流通しない地魚もできるだけ扱い、美味しさや価値を知ってもらえるよう提案していきたい。賛同してくれる飲食店に舞鶴の地魚として直送するなど、うちだからできることを広める発信力を持ちたいとも語りました。

—インスタやYouTubeで情報発信

最近、発信力を持って地域や業界に貢献したいという思いから「サカナテラス DK社長」としてYouTubeを始めた上林さん。マグロを捌いて100貫の寿司タワーを作ったり、ほかにも牡蠣やアオリイカ、魚好きならヨダレが出そうな贅沢三昧の料理動画を次々アップしています。もちろんご本人登場です。
インスタは毎日更新しており、こちらにも美味しそうな魚がいっぱい。インスタを見た方から魚の発送の問い合わせがあったり、反応は上々のよう。
「発信力はパワーになります。もっと店のことを知ってもらって発信力を持ち、みなさんに貢献していきたい」元気いっぱい、このバイタリティー。舞鶴の魚の魅力をこれからも届けてくださいね。

SHARE
Facebook
Twitter
Line