食らし旅

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地域のアクション

〈お茶の京都 堤明日香さん〉 お母さんたちをもっと笑顔にしたい
山城野菜を通じた取り組み
地域に根ざした活動を幅広く行う「山城ごはん」

2021/03/03

map_ocha.png お茶の京都

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京都府の南部に位置する山城地域は、当尾ごぼうや梅谷大根などおいしい野菜がたくさん生産される地域です。
そんな山城野菜の魅力を発信しようと活動しているのが、木津川市に暮らす堤明日香さん。代表として活動する「山城ごはん」で、山城野菜の紹介や農家さんの思いが詰まったWEBサイトや、京都府内で行われるマルシェ、イベントなど多岐にわたる取り組みを積極的に行う堤さんにお話を伺いました。

—木津川市に嫁いだことがきっかけで地域活動に参加

もともと大阪生まれの奈良育ちだという堤さん。10年以上前、結婚を機に木津川市で暮らし始めました。当時の堤さんにとって木津川市は、知り合いもほとんどいない未知の場所。地域活動や教室などいろいろなところに行って知り合いを増やしていくうちに、木津川市のNPO法人「かもめ」に参加することになりました。
「かもめ」での主な活動は、地域の放置竹林といった環境問題の解決に取り組むこと。中でも、たけのこを使っておやきや加工品を作り、「食べることで竹を減らそう」という活動に衝撃を受けたそうです。昔から食べることが好きだったという堤さんは、食を通じた課題解決に興味を持ち始めます。

—「山城ごはん」としての活動をスタート

「かもめ」での活動に加え、京都府の委託事業である、地域課題の解決に取り組む「ちーびず」でも活動をしていた堤さん。そんな中、山城広域振興局の取り組みで「やましろ産ごちそうさんプラットホーム」というプロジェクトが立ち上がりました。
このプロジェクトは、知名度があまり高くない山城野菜を広めていくことや、地域の農家の応援を目的にしたもの。堤さんが「何かやらせてください」と声をかけたことがきっかけとなり、「山城ごはん」としての活動を始めていくことになります。堤さんを中心に、「山城ごはん」のWEBサイトやオンラインショップの運営、マルシェへの出店、まち歩きイベントの実施などを行っていきました。

—お母さんたちの支えになりたいという思い

活動を続けていくうちに、今の活動が食の課題解決や山城野菜のPRになっているのかという疑問が生じたといいます。「誰に対して野菜を売りたいんだろう?」そう考えた時、子どもにとれたてのおいしい野菜を食べさせたいという気持ちを思い出しました。木津川市はニュータウンの開発が進むなど、全国でも有数の人口が増加しているまち。子どもの数も多いため、小学校もマンモス校化しています。小学生の子どもを持つ堤さんは、まわりのお母さんに「どこで野菜売ってるの?」「この野菜はどうやって食べたらいい?」などよく聞かれることがあるそう。

「自分が持ってる知識でよければ、野菜を売っている場所やレシピを提供したりと、お母さんを相手に活動していく方が自分もしっくりくる。やみくもに売るんじゃなくて、この地域のお母さんたちに対して、野菜の情報をもっと知ってもらいたいと思ったんです。」

同じ「お母さん」という立場として、という思いのほかにも、近年目にする子どもが生きづらさを抱えているというニュースも、自身に影響を与えたといいます。親子で一緒にご飯を食べることでコミュニケーションを取れたら、解決につながったら。そのような思いもあって、2020年の春から新たに食農体験をスタートしました。

—畑で楽しく食育を学ぶ体験づくり

食農体験では、木津川市の里山にある畑を借りて月に1度開催。豊かな自然に囲まれて、畑作業や野菜の収穫、調理などを体験できます。一緒にワークショップも行っており、過去には講師を呼んで、畑や里山でできるアート作りや、バイオ燃料を使った発電といった体験を行いました。家族での参加が多く、近隣のニュータウンに住む人たちを中心に好評なのだそうです。

子どもはもちろん、大人にとっても畑活動が新鮮だという人は多く、体験を通じて親子が楽しそうに土を触っている光景を見るといいます。収穫した新鮮な野菜は持って帰ることができます。イベントに協力してくれる農家さんも野菜をたくさん持って来てくれて「これ持って帰り」と参加者に声をかける一場面も。親子や地域の人たちのあたたかい交流が生まれるイベントです。

—地域のつながりが生んだ加工食品

「山城ごはん」などの活動を通じて農家さんなど地域の人たちとの交流が広がっていき、生まれた商品もあります。「山城ばぁばの手作りピザソース」(500円)は、京田辺市にある「杉田農園」のトマトを使用。木津川市でパンやジャムなどを作っている「キッチンサロンアルモンテ」の菰野さんが丁寧に煮込んでできあがったソースです。

食パンに塗って野菜やチーズをのせると手軽でおいしいピザトーストができあがります。保存料など無添加なのもうれしく、やさしい味わいが広がります。堤さんのおすすめは、このピザソースを使ったパスタやトマトスープ。ほかにも、カレーや煮込み料理にたっぷり入れることで、コクが出てぐっとおいしくなるそうです。

「山城ものがたり 〇むらさき」(600円)は、木津川市「ギャラリーカフェ人と木」と「秋田農園」のコラボで生まれた商品。「山城のねぎ」が入った香り豊かなだし醤油で、お浸しや煮物、炒め物などに入れるのはもちろん、お椀にだし醤油少しとお湯、豆腐やとろろ昆布といった具材を入れて即席のお吸い物としていただくのもおすすめなのだそう。同じく「ギャラリーカフェ人と木」が手がける、柑橘系の甘酸っぱい味わいの「フルーツドレッシング」(540円)もあります。

ご紹介した加工食品や、山城地域の新鮮でおいしい野菜は「山城ごはん」のオンラインショップでも購入できます。WEBサイトにはレシピも掲載されているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

—山城地域ならではの魅力を発信

山城地域で生まれた野菜や加工食品のPRも行っている堤さん。抹茶の原料となる碾茶を生産している「森田製茶」が手がける商品も紹介していただきました。
石臼で挽いた茶葉を使ったチョコレート「神ちょこ」(540円)は、お茶農家が作っているだけあって抹茶の味が濃厚です。
森田製茶の茶葉を使った紅茶「和神茶」(540円)は、すっきりしていて品のある味わい。レモングラスをブレンドした「檸檬和神茶」(540円)はさわやかな香りが広がります。
ちなみに「和神茶」や「神ちょこ」などに使われている神という文字は、「森田製茶」がある神童子という地名から取っているのだそう。
「森田製茶」の商品は、「山城ごはん」や「森田製茶」のオンラインショップなどで購入できます。

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