京都・木津川市の魅力を世界へ。わざわざ行きたい食空間[リストランテ ナカモト]
木津川市![京都・木津川市の魅力を世界へ。わざわざ行きたい食空間[リストランテ ナカモト]](https://kurashitabi.kyoto/wp-content/uploads/2025/04/144_1_original.jpg)
“今”を表現する地元・近郊の野菜に心ときめくひと皿
京都府と奈良県との県境に広がり、平城京・平安京の要衝として栄えた山城地域。JR京都駅から約40分で到着するJR木津駅から歩いてわずか5分ほど。地元の野菜に耳をすませ、調理方法や火加減をコントロールし、無二のお料理でゲストをもてなす[リストランテ ナカモト] にお邪魔しました。

両親の食堂があった場所で独立
木津川市を訪れる人の目的には、[浄瑠璃寺]などの歴史遺産、桜や山吹といった自然風景などさまざまありますが、地元の素材を主役にしたグルメもそのひとつ。2011年に開店した[リストランテ ナカモト]には、「仲本シェフのお料理を食べてみたい」という人々が、全国各地からやってきます。
チャコールグレーの一軒家レストランが建っているのは、もともと仲本シェフのご両親が[仲本食堂]を営んでいた場所。通りを挟んだ西側には木津川市役所が建っています。


「唐揚げやトンカツの定食、丼ものやラーメンなど、[仲本食堂]は何でもある市役所の職員食堂のような存在で。両親は朝から夜まで忙しかったけれど、常連さんに愛されて楽しそうに見えました。子どもの時分から店を手伝うのは当たり前で、学校から帰ったら出前のうつわを回収するのが僕の役目。集め終わってから、友達と遊びに出掛けていましたね」と、懐かしそうに思い出を語ってくださった仲本シェフ。

イタリア人が抱く地元愛に憧れて
高校卒業後は調理師の専門学校に通い、奈良市内のイタリアンで修業した後、本場イタリアへ。ミシュラン常連の[エノテカ・ピンキオーリ]などイタリアで6年半、さらにニューヨークや東京のレストランを渡り、独立を機に木津川市に戻ることを決心します。

「イタリアでは、料理人としての技術はもちろん、地元を愛する哲学を学びました。彼らは、地元の素材を愛し、郷土料理をとても愛しています。郊外だから味わえるみんなの自慢の料理があって、都会の人が1〜2時間掛けて食べにいくことは特別なことじゃない。そんな地元愛に触れるうち、都会で店を持つことより、自分を育んでくれた地元で料理がしたいと思うようになりました」。

季節を写す野菜料理を堪能
仲本シェフのおまかせコースで必ず提供される野菜のひと皿は、まさに地元野菜を散りばめた宝箱のよう。木津川の蕪やケール、山城地域のカリフラワーや菊芋、八幡の大黒しめじや椎茸、奈良のズッキーニやごぼうなど、生命力溢れる地元野菜が上から被された透明のドレッシングのベールの下でゲストとの対面を待ち望んでいます。
炭火でじっくり焼いたパプリカの甘み、ボイルしたチンゲンサイのやさしさ、スライスしたにんじん3種のフレッシュ感…ひと口ごとに広がる野菜の個性が充足感を与えてくれます。

時間を見つけては畑に出掛け、土壌や生育具合を見て、農家の方と話をすることで、素材を大事にする気持ちが一層強いものに。「もともと美味しい野菜を、より美味しくするために努力するのが僕の仕事です。遠くから来てくださる方はもちろん、近隣の人が改めて地元の良さを知っていただく機会になれば嬉しいです」。

お茶の京都だからこそできること
2025年2月には、地域特性をテーマに考案したコラボメニューを審査する「京都ガストロノミーアワード」に、お茶の京都の代表として参加。[京懐石 美濃吉]とのコラボレーションメニューが準グランプリを受賞しました。「地元の魅力を発信できる機会をいただけるなら、これからも積極的に参加したいと思っています」。

おまかせコースには、ワインペアリングもしくはティーペアリングが含まれていて、昨今は後者を選ぶ人も増加中。「お酒を飲まない方のために、クラフトコーラやジンジャーエールなどを考えた時期もあったのですが、いやいや待てよ、地元には良いお茶があるやん!とティーペアリングに落ち着きました」。
地元にあるものを見つめなおし、生産者さんに感謝をして、料理人としてできることを最大限に出しきる。まっすぐな想いをのせた仲本シェフの料理をめざす旅人が、今日もJR木津駅に降り立ちます。





📍店舗情報
リストランテ ナカモト
050-3134-3550(予約専用番号)
京都府木津川市木津南垣外122-1
12:00〜15:00 (最終入店13:00)
18:00 〜23:00 (最終入店20:30)
不定休(水曜を中心に月6回程度休業)
https://www.ristorantenakamoto.jp